更年期とアロマセラピー 〜美しい笑顔でいるために〜

18.天然成分の香りスプレー…フローラル/ハーブウォーター(芳香蒸留水)

芳香蒸留水、ハイドロゾルとも言われるものです。いずれかを耳にしたことがあるかもしれません。フローラルまたはハーブウォーターこそは、紀元10世紀には製造されていた現在の化粧水の原型です。アロマセラピーで使う香りのオイル=精油(エッセンシャルオイル)は、原材料の植物を水蒸気で蒸して表層に浮かび上がった親油性の高い香りの成分だけを抽出したものです。蒸すために必要な大量の水が、このフローラルウォーターなのです。

フローラルウォーターの成分の濃度は精油の0.10.01%ととても低く、またあらかじめ製造条件での濃度が規定されています。その分、精油よりも安全に使うことができるといえます。日本では推奨されていませんが、フランスやアジアの一部の国では日常的に飲用もされています。脂溶性の成分は精油として抽出されてしまい、水に残った低い濃度の成分になるので、香りもだいぶ異なってきます。ローズの精油を思い浮かべてローズのフローラルウォーターの香りをかぐと、ちょっとがっかりするかもしれません。精油とフローラルウォーターをひとつのセットとして使って、その植物のほぼすべての成分を得る、というのも一手です。

お肌のひきしめ作用、鎮静作用、弱い抗菌作用など生理活性があり、しかも大部分のフローラルウォーターは弱酸性です。そのためお肌の防御機能をサポートする力もあるようです。化学薬品、合成のものに対する感受性の強い方が試してみるのもいいかもしれません。劇的な変化はないと思いますが、パシャパシャと手にとると何とも言えない草っぽい香りがして、肌も気分もすっきりします。フローラルウォーターはマイルドに作用するので、高齢の方へのケアにも有用です※。

ローズ、ネロリ、メリッサ、ローズマリー、ラベンダーのフローラルウォーターなどは使いやすいと思います。きまって年二回ほど肌が荒れる私、今では対処法も獲得しました(笑)。あくまでも個人的な体験ですが、いろいろ試した結果(私の場合ですが)やはり化粧品は使わない時期があったほうがいいようです。2週間ほどはフローラルウォーターとローズ精油のブレンドされたアルガンオイルだけのケア。肌の調子の悪いときは、体調も落ちています。肌はからだの鏡ですから。そんなときは余分な成分は与えずに、引き算の要領でケアをしてみてはいかがでしょうか。弱ったからだや肌に成分の強いものを与えても、それを代謝する能力は低下しているわけで、こんなときは自然のもののほうがからだが受け付けやすいのだと思います。

香りもさほど強くないので、スプレーボトルとして持ち歩いて必要なときにシュッとお顔にスプレーしても爽快です。汗ばむ季節ですし、ちょっとした乾燥も防いでくれるのだったら言うことないですね。

ぜひお試しください。

いつも使っているのはメリッサとラベンダーのフローラルウォーター、アルミ製で比較的密封性も高いので便利です。冷蔵庫で冷やして使うと夏場は気持ちがいいです。

※刺激は大変少ないフローラルウォーターですが、精油と同じようにすべての方の肌に安全というわけではありません。とくに体力の著しく落ちている方にはご使用には十分ご注意ください。また劣化は精油よりも早く、保存料や添加物が入っていないものがほとんどなので、新品でも長くて2か月程度で使いきることをおすすめします。

 

 

2013.5.20

Attention

天然100%以外の精油はおススメしません。100円ショップなどのアロマオイルはまったく異なるもので、期待される効果や作用は得られませんのでご注意を。

必ず精油は希釈して使ってください。だいたい2%の濃度です。

(10mlの植物油に4滴相当)

同じ精油をからだに連続して2週間使い続けるのは避けましょう。

使い方を誤ると思わぬ皮膚トラブルや体調に影響します。

 

ご質問はいつでもお気軽にしてください。 info@kiyoudo.com