更年期とアロマセラピー 〜美しい笑顔でいるために〜

Lesson 4:精油...「花の女王」ローズ

言わずと知れたクイーンの登場です。香りの好き嫌いはありますが、精油をたった「1つ」もつなら、ボンジュール世代にはローズをお勧めします。


長いあいだ、愛と清純さの象徴であり、結婚式ではバラの花びらをまきちらして結婚が永久に幸せなものであるように願いをこめました。バラに関する話、物語はそれこそ厖大にあります。クレオパトラがローマ皇帝をもてなすために宮殿をバラで埋め尽くし、廊下をバラの花びらで分厚く敷き詰めた・・・、インドのマハラジャ、シャー・ジャハーンが自分の結婚式のときに城の濠をローズウォーターとバラの花びらでいっぱいにした・・・。このように当時は金よりも高価であったローズを香りとして使えるのはほんの限られた支配層だけでした。英国でのバラ戦争で勝利したランカスター家(派)は自分の赤バラ紋章と負けたヨーク家の白バラ紋章を合わせて現在の英国王家の紅白の紋章にしたのは有名です。古代ギリシャ流のバラ観は「美」と「愛」、一方古代ローマ流ではバラを「はかない人生」ととらえたという研究があり、またキリスト教では白バラを純潔・美・貞節、赤バラを殉教の象徴にしているなど、国によってもバラの色によっても対する思いはさまざまのようです。

さて、近代のバラは野生種をもとにヨーロッパで交配を繰り返された改良種ですが、原種はヒマラヤ周辺に遡るという説が有力です。アロマセラピーでは主にRose damascene(ローズオットーとも呼んでいます)=ダマスクローズで、次いでRose centifolia=キャベッジローズなどが精油として使われますが、1400個の花から1gの精油しか得られないため、精油は現在でもとても高価です。


バラは見た目が華麗なだけではなく中身も非常に優秀です。心にたいしては、抑うつ、悲嘆、嫉妬、恨みといった感情をほぐしてくれます。気持ちを高揚させ、神経の緊張とストレスを和らげます。さらに、女性としての自信をアップしてくれます。それは、からだへの作用の影響もあるからでしょう。バラの精油は、子宮の強壮剤としての作用がありますし、たとえば冷感症などの性的障害を好転させる機能性ももちあわせています。「幸せホルモン」であるドーパミンを放出するはたらきがあるのです。香りをかぐと「ほっとする」というより、それよりさらに肯定的な感情——「満足感」のようなものが現れるのは、イメージだけではないのです。


また、バラがその香りとともにスキンケアにも良いのはよくご存じかと思います。すべての肌質に合うのですが、とくにエイジング肌、乾燥肌、硬くなった肌には有益です。炎症を鎮め、毛細血管を収縮させる作用があるとされます。使い勝手がよいローズウォーターもおススメです。精油とは含まれている成分が違い、水にとけやすいフェニルチルアルコール(バラの香りの源泉)が75%も含まれています。ローズウォーターに精油をたらせば、ある意味で、「バラのすべて」をケアにとりこめるわけです。ゴージャスな香りを心とからだのケアに贅沢に使う・・・これまでさまざまなことと闘ってきたボンジュール50世代に許される特権かもしれません。

◆◇Bonjour50s おススメレシピ◇◆

 

<Rosy oil>


良質の植物油——たとえばアボカドオイルやスイートアーモンドオイルなどご自分の肌にしっくりなじむような植物油10mlに1, 2滴ローズの精油を入れて、フェイス、ボディと贅沢なセルフトリートメントまたはパートナーへのヘッドや肩などのケアにしてもGood!

 

2011.10.4

Attention

天然100%以外の精油はおススメしません。100円ショップなどのアロマオイルはまったく異なるもので、期待される効果や作用は得られませんのでご注意を。

必ず精油は希釈して使ってください。だいたい2%の濃度です。

(10mlの植物油に4滴相当)

同じ精油をからだに連続して2週間使い続けるのは避けましょう。

使い方を誤ると思わぬ皮膚トラブルや体調に影響します。

 

ご質問はいつでもお気軽にしてください。 junwahombe@kiyoudo.com