ものにこだわる。

Lesson 11:心地よい空間づくりに「光」の演出

Bonjour 50sではアンチエイジングを念頭にイキイキと生きる、価値ある生き方を志している女性をイメージして、そのこだわりのあるライフスタイルやコンセプト、またはそのものずばりの「モノ」に対するこだわりなどをご紹介してきました。

その中でインテリアに関する内容で私自身のこだわりや一般的な傾向などトレンドと合わせ、こういうものがある、こんな感じがする、こういうものはどうか?・・・など、インテリアコーディネーターと女性という立場からの視点でいろいろ書き綴ってきました。

 

今回はモノにこだわるの中でもそのモノに対してではなく、言わば影武者、縁の下の力持ち的な表面に出ない、物体ではない存在の「光」についてです。インテリアエレメントの中での「照明」についてご紹介します。

 

■ 光の歴史

インテリア業界において今、第3次大革命が起こっていると言えるでしょう。光源としての種類にLEDが登場しました。かつての発明王であるエジソンが作った白熱灯の電球から蛍光灯が2世紀に渡って普及し、各メーカーは長寿命、省エネの商品開発にシノギを削っていた矢先、この5年程で一気にLEDに塗り替えられようとしています。

白熱灯のパイオニア的存在のToshibaが白熱球の製造を2010年に中止した画期的な発表は私たちにとっても戸惑いを隠せるものではありませんでした。

■ 光の考え方

今や「光」は私たち人間にとって生きていく上で必要不可欠なもの。光の存在なくして私たちはモノの存在を認識できません。

人類の英知で「光」を自由にコントロールできる現代はまさに超近未来を予測させるインテリアの一部としてなくてはならないエレメントになっています。照明デザイナーや空間デザイナーなどが活躍し、それだけの分野で成り立っている職業があることを知っている人も少なくないでしょう。「光」の概念が生活に密着したものになるのもそう遠い未来ではありません。

 

■ 壁が光る、床が光る

インテリアの観点から「光」を考えた時、それは「照明」「照明器具」というものから入るということになります。しかしながら昨今、照明器具としての価値は大きく2極化され、シャンデリアに代表する工芸品的な照明器具と建築化照明に代表される間接照明に使うダウンライトや埋め込み用の照明器具となります。

 

写真は最近の照明計画でよく使われている天井の間接照明とベッドなど家具に造作して作り込んだ間接照明の手法です。間接照明とはその光源を見せずして光を天井や壁に反射、照射させ光をコントロールし、光の演出を楽しむものです。LEDが使われるようになって、光源が小さく永遠と言われるほどの長寿命から今までメンテナンス上、制限のあった吹き抜けや家具裏の照明、また壁内の埋め込み照明や写真のような床下に埋め込む照明計画なども可能になりました。

「光」は照明器具の中のものだけではなく、空間を流れる風や音楽や香りなどインテリアを成す、言わば心地よい空間作りの立役者と言っても過言ではないでしょう。

 

幼い頃、思い描いていた近未来がすぐそこまで来ているのを感じます。長生きして良かったと思えるような時代であってほしい、これからの発展をじっくり楽しみながら過ごしたいものです。

 

 

2012.4.16