Lesson 6:9〜10月のカラー「イエロー&オレンジ」

黄色は色の中で一番明るく、光にもっとも近い色です。日本では太陽は赤で表現しますが、日本以外のほとんどの国では太陽を黄色で表現します。黄色やオレンジを暗くすると茶色になります。木々が色ずく季節には、自然界に見られる色が気になります。

 

注:カラーサンプルはモニターにより色再現が異なります。

山吹色(やまぶきいろ)

山吹の花のような鮮やかな黄色です。黄金色に似ているところから、中世には大判小判を指す言葉として使われました。黄色は古代中国では中央を意味し、明黄色と呼ばれる黄色は清朝の皇帝だけに許された正装の色でした。

鮮やかな黄色はスプリングタイプにお似合いです。

カーキ

黄色を暗くするとカーキになります。カーキはヒンズー語で土やホコリの意味です。19世紀にインドに駐留していたイギリス軍の軍服の色に使われ、その後一般に普及しました。日本では国防色と呼ばれた時期があります。

黄みの強いシックで落ちついた、この色はオータムタイプの色です。

 

黄丹(おうに)

紅花(赤)とくちなし(黄)で染めた鮮やかなオレンジ色です。世紀より現在でも皇太子の礼服の色です。昔は一般の使用が禁じられた禁色(きんじき)のひとつでした。

鮮やかなオレンジはスプリングタイプの色です。

団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)

オレンジを暗くすると、このような茶色になります。団十郎茶は江戸時代の人気歌舞伎役者、5代目市川団十郎にちなんだ当時の流行色でした。

茶色はイエローベースの人にお似合いですが、ハッキリした明るい茶色はスプリングタイプに特におすすめです。

 

柿色(かきいろ)

柿の実の濃く赤みがかったオレンジ色です。柿は英語、フランス語、ドイツ語でもkakiですが、柿色という色名は日本だけです。日本では平安時代からの色で、照柿(てりがき)とも言います。

濃く赤みのオレンジ色はスプリングタイプやオータムタイプに。

 

ココア

ココアのような赤みのおだやかな茶色です。唯一サマータイプにおすすめの茶色です。ココアにたっぷりのミルクを加えたような、赤みのおだやかなベージュもサマータイプに似合います。茶色を身につけたい時にはココア色を。

 

チョコレート

チョコレートのような暗い茶色です。メキシコ原住民が愛飲したカカオから作られた飲み物を、コロンブスが持ち帰り、生まれたのがお菓子のチョコレートです。ココアと同じ原料ですが、色のイメージは少し違います。

赤みの暗い茶色はウィンタータイプの茶色です。

コーヒー

炒ったコーヒー豆のような黄みの暗い茶色です。ココアとコーヒーの色みの違いをよく見て、茶色を上手に使いましょう。黄みの暗い茶色はオータムタイプの茶色です。オータムタイプは茶色はよく似合いますが、黄みの強い茶色は特に良く似合います。

黄色、オレンジ、茶色はスプリングタイプやオータムタイプのイエローベースの方に似合います。サマータイプ、ウィンタータイプのブルーベースの方はオレンジは注意が必要です。ただし茶色にはさまざまなバリエーションがありますから、秋のコートにお似合いの色を見つけて下さい。

 

【タイプ別:あなたに似合うコートの色選びのポイント】

スプリングタイプ 

 鮮やかな黄色やオレンジはとても似合います。

オータムタイプ  

 茶色が一番似合うのはこのタイプです。特に黄みの強い茶色はとても良く似合います。

サマータイプ 

 黄色やオレンジは気をつけて。ニュアンスのある赤みの茶色やベージュがおすすめです。

ウィンタータイプ 

 赤みのダークな茶色が素敵です。鮮やかな黄色を少量、黒と合わせるのもシャープです。

2011.9.5