Lesson 7:11〜12月のカラー「白・黒・グレー」

11月と12月は白・黒・グレー、モノトーンです。

日本では江戸時代の奢侈禁止令で華やかな染色が禁止されると、町人の間に「四十八茶百鼠」(しじゅうはっちゃひゃくねず)と呼ばれる、微妙な色合いのさまざまな茶色や鼠色が生まれました。空気が冷たくなるこの季節、定番のモノトーンを見直しませんか?

 

注:カラーサンプルはモニターにより色再現が異なります。

黒(くろ)

あらゆる色の中でいちばん暗い色です。闇夜のように暗い「暗黒色」、黒漆を塗ったような「漆黒」など、真っ黒にはいろいろな名前があります。「墨黒」というのは真っ黒より少し明るく、服地でいえば表面の繊維が白っぽく見えているような黒です。「漆黒」はウィンタータイプに、「墨黒」はサマータイプに。鮮やかな黄色はスプリングタイプにお似合いです。

灰色(はいいろ)・グレー

黒と白の中間の色、灰のように薄暗い色です。色としては陰気でさみしい色ですが、ファッションでは欠かすことのできない色です。白、グレー、黒のモノトーンはどんな色が流行っても必ず生き残っている色です。このようにストレートなグレーはブルーベースの色です。

スノーホワイト

白にもさまざまなニュアンスの白があります。スノーホワイトは雪のような真っ白です。真っ白には他にもシルバーホワイトや鉛白(えんぱく)などの名前があります。この印象の強い真っ白はウィンタータイプに似合います。サマータイプは柔らかい乳白色を。イエロータイプは黄みを感じる白が良いでしょう。

乳白色(にゅうはくしょく)

ミルクのような柔らかい白です。服地では素材感によって、同じ白でもイメージが違います。サマータイプには真っ白すぎない柔らかさが必要です。白は白ければ白いほどブルーベースの色、黄みがかった白はイエローベースの色と覚えて下さい。暑い季節にはTシャツ、寒い時にもウィンターホワイトは大事な色です。

利休鼠(りきゅうねずみ)

茶人、利休にちなんだ色名で抹茶の緑を含んだグレーです。このように緑みがかったグレーはオータムタイプの色です。ストレートなグレーや青みがかったグレーは、オータムタイプの人の顔色をさみしく、青ざめて見せてしまいます。健康な顔色に見せるためには黄みや緑みが必要なのです。

銀鼠(ぎんねず)・シルバーグレー

銀は「しろがね」とも呼ばれる、白に近いグレーです。灰色という古来の不吉なイメージを「鼠」と呼ぶことで流行色にしてしまった先人の知恵です。外国には動物を指す色名が沢山ありますが、日本の色名では鳥の名前の他は鼠くらいです。薄いグレーはサマータイプに似合います。

梅鼠(うめねず)

梅の花のような赤みを感じるグレーです。同じように赤みを感じるグレーには「ローズグレー」もあります。このように曖昧な色はサマータイプやオータムタイプに似合います。オータムタイプの人がこの色を着るならば、もっと暗くくすんでいても良いでしょう。

砂色(すないろ)

砂のように、グレーとベージュが混ざったような、黄みのグレーです。このように黄みを感じる明るいグレーはスプリングタイプのグレーです。黄みを感じるグレーはオータムタイプにも似合います。この色が白に近づいた色は「灰白色」(かいはくしょく)といい、イエローベースの人の白としてお勧めです。

黒やグレーはサマータイプやウィンタータイプのブルーベースの方に似合います。イエローベースの方はニュアンスのあるグレーの中からお似合いの色を見つけて下さい。モニターの色再現には限界がありますのでここでは大まかな表現ですが、黒にも赤みや青みの黒がありますからよく見比べて下さい。

 

【タイプ別:あなたに似合うモノトーンカラー選びのポイント】


スプリングタイプ

砂色のように、グレーに少しベージュが混ざったような柔らかな色合いが似合います。

オータムタイプ

緑みや黄みを感じる、ニュアンスのある濃いめのグレーが良いでしょう。

サマータイプ

グレーはよく似合います。特にブルーを含んだ薄いグレーはお似合いです。

ウィンタータイプ

黒はあなたの色です。チャコールグレーや真っ白もとても良く似合います。

2011.11.7