すぐ描ける楽しさ!

毎年、友人のイラストレーターから「ホォー!」と手に取って眺めてしまうようなステキな年賀状をいただく。いただくのは大変うれしいが、いざ、自分が年賀状を作るときになると、おおいに困るのだ。

 

そんな困り果てていた数年前の年末に、渋谷のロフトで、年賀状用の渋紙ステンシルのキットを見つけた。それは、渋紙にその年の干支や、おめでたい絵柄が切り抜かれた版が2枚1組になっていて、1版、2版と絵の具で色を入れて重ねていけば、年賀状の絵柄ができあがる。同じコーナーに、ステンシル用の筆と、数色づつの絵の具のセットも売っていて、私はそれらの道具を買って、年賀状を作った。

 

次の年は、より高度なステンシル画と、高級な絵の具で年賀状を作った。絵柄も色もよかったし、腕前も上がったので、自分で言うのもおこがましいが、とても上手くできた。しかし、上手くできすぎるとつまらなくなるものだ。まるで、印刷物のような綺麗な仕上がりに、素っ気なさを感じた私は、ステンシル画のキットを買うのをやめた。

 

年賀状への思い入れも失せ、何年か経った年の暮れ、姪にクリスマスカードを手作りしよう、と私は思い立った。息子たちが小さかった頃、一緒にお絵描きをした水彩画の道具を、少しは残してあるはずなので、探してみた。

 

パレット 可愛い

居間の棚の奥から探し出したのは、ペリカン社の水彩の固形絵の具とパレットが1つになっている簡単な道具だ。息子たちが色の名前を覚えやすいように、絵の具の脇の英文字の上には、日本語で色の名前を書いたシールが貼ってある。何年も経っているのに、固形の絵の具が遜色なく使えるのがうれしかった。固形の絵の具は減りが少なく、ほとんど変質しないのでずっと使える。そして手軽でスピーディー。水を含ませた筆でなぞるだけで、すぐに描くことができる。

 

そんな固形絵の具12色がコンパクトにトレイに並べられ、そのトレイの蓋がパレットになっているのがPelikan Aquarellfarbkasten Box containing Water Coloursなのだ。

 

「絵を描きたい」と思い立ったら、たった1つの道具を片手でヒョイと持ってパタンと蓋を開けるだけ。あとは筆を持てばいい!

 

「こんなにいい道具を眠らせておいてはもったいない」と今年はステンシルシートに自分で図柄を描き、切り抜いて、水彩絵の具で色を入れた自家製のステンシル画のポチ袋を作りました。

 

手早くササッと描く楽しさを、あなたもどうぞ!

 

 

2013.1.18