つきたて風がおいしい!

年の暮れには、ほぼ毎年おもちつきに参加している。子供たちが小さな頃からなので、かれこれニ十年にもなるだろうか。最初は子供を通した繋がりからだった私のおもちつきの輪は、子供たちの成長とともに徐々に変化をし、最近は自分の職場や地域の繋がりの中で、子供たちからは離れて私が一人で参加をし続けている。

 

私はもともと、おもちがあまり好きではなかった。お雑煮は好きなので中に入っているおもちも食べるが、やれ「いそべ」だの、やれ「あべかわ」だのと勧められても、なんの興味も湧かず、おつきあいで仕方なく食べていた。焼いたおもちの外側の曖昧な食感が嫌いなので、海苔を巻いてゴワゴワ感の増した「いそべ」も、焼きもちの外側をお湯でふやかしてきな粉をつけた「あべかわ」もいやなのだ。つきたてのおもちは、もちろん美味しいと思う。しかし、それは本当につきたての温かいうちだけで、ちょっとでも冷めたおもちには興味がなかった。

 

ところが四年前のおもちつきの際に、それまではお手伝いとしておもちの丸めくらいしかしていなかったのが、主力メンバーとして、もち米の浸水から関わらせてもらったところ、幸運なことにとても美味しいおもちがつけた。あまりにも美味しかったので、たくさんいただいて冷凍し、たいせつに食べた。なんとかつきたての美味しさを再現しようと工夫をし、小深い耐熱皿に入れたおもちに少量の水をかけ、ふたをして電子レンジにかけるのがベストだとわかったのだが、水の量やほんの数秒の時間の差によって、でき映えはまちまちだった。その後も、つきたてのおもちの美味しさを求めて、耐熱皿と電子レンジを駆使してなんとか食べていた。

 

つきたてのおもち

ある日、薬味用のおろしがねを買うためにスーパーマーケットのキッチン用品売り場へ行った私は、「レンジで(つきたてに近い)やわらかおもち」という便利グッズを見つけた。今やこの手のレンジ用便利グッズはいろいろと出回っていて、買いだしたらきりがないような気もしたが、「コレはいいかも!」とひらめくものがあって購入した。使い方は、本体にザルを重ね、おもちを入れたら、水位ラインまでの水を入れてレンジで一分間加熱し、湯切りをしてできあがり。

なんといっても失敗がないのがいい。おもちがザルに収まりさえすれば表示どおりに水を注いでレンジにかけるだけで、本当につきたてのような食感のおもちができあがる。さらにうれしいことには、ザルにおもちがこびりつくことがなく、おもちがついたとしても水をかけただけですぐにとれてしまい、後片づけがいたって簡単なのだ。この細部にまで神経の行き届いたつくりの良さは、もともとは歯ブラシのメーカーだったエビスという会社が製造しているからこそのなせるワザなのだと私は思っている。

 

かくして、私の好物の中にこの「『レンジで(つきたてに近い)やわらかおもち』でチンしたおもち」が参入したわけなのだ。しかし、ただでさえ食いしん坊の私だ。こんな調子で好物が増え続けるというのは如何なものなのだろう?

 

 

2012.1.24