「ミルクロール」大好き!

パンが好き。パン屋さんはもっと好きだ。街を歩いて、ケーキ屋さんの前は平気で素通りするくせに、パン屋さんはだめだ。一旦は通りすぎても後ずさりして戻り、店の前をうろついて結局入ってしまう。


昨年の秋、我が家の目と鼻の先に小さな小さなパン屋さんが開店した。けっこうおいしくて価格も抑えられていたので、私は毎日のように通った。しかし、店主の予想に反して客数は増えなかった。元々小ぶりだったパンは更に小さくなり、開店当初の魅力は日に日に薄れていった。「『赤字だ』と嘆く」店主に「価格設定が安過ぎたのでは?」と聞いてみると「鍋横の『ミルクロール』に行ってみたらわかるよ!」と言われた。さっそくパソコンで検索してみると、安くておいしい、行列のできるパン屋さんだった。どうやら、近所のパン屋さんは、このお店の真似をしたようだ。


ある日のお昼前、私は「ミルクロール」へ行き、開店前の行列に並んだ。私の番が来て、小さなお店の中に入ると、品のいい4、50代の女性3人がテキパキと接客をし、奥の工場では店主の男性がせっせとパンを焼いていた。このお店では曜日によって品目や材料を替えていた。例えばコーンブレッドは水曜と土曜、アプリコットを使ったものは月曜と木曜、クランベリーを使ったものは火曜と金曜というようになっている。本当に小さなお店なので3〜4種類ずつの焼き上がりなのだが、常連のお客さんは曜日と焼き上がり時間に合わせて来店するので、オーブンから出てきたばかりのパンの山はあっという間に消えて行く。私も数種類のパンを急いで買ってお店を出た。

 

駅までの間、私の頭の中は「『ミルクロール』の近所に住んで店員になり、接客をする」という妄想でいっぱいになっていた。「雰囲気のいいお店で、あんなにおいしそうなパンと、そのパンを求めるお客さんの橋渡しができたらどんなにしあわせだろうか」と思ったのだ。この妄想は数ヶ月続いたが、あのお店とパンは大好きだが、お金の勘定が嫌いなことを思い出してやめた。「ミルクロール」の店員さんになることは諦めたが、なによりもおいしくて、安くて、雰囲気のいいパン屋さん「ミルクロール」が私は大好きで、今でも電車に乗って足しげく通っている。

ミルクロール

先日買ったものを撮影したのでご紹介します。

手前が「ミルクロール」¥35

その上が「ブリオッシュレーズン」¥35

右上が「クルミチーズ」¥45

左側がバターロール生地の食パン、「キングスブレッド」¥210

菓子パン11個と食パン1斤の合計で¥645です!

安い!

 

 

 

 

2011.12.5