爪切り選びにも、年齢があるかも

数年前の桜の頃だが、銀座で友人とランチをした帰りに伊東屋へ寄った。私にとってここは、何も買わなくても、店内の文房具や雑貨を見ているだけでわくわくしてしまう遊園地のような場所だ。

ヘンケルス・ネイルクリッパー

その日、私は運命的伴侶ともいえるモノと出会った。「ヘンケルス・ネイルクリッパー」という、小さな爪切りである。まず、カタチがいい。さりげなくて、品がある。見るからに使いやすそうなフォルムなのだ。 握り心地がよく、手になじむ。私のように手が小さくて不器用な人間には、とくに使いやすい。

 

爪を切ってみてビックリしたのは、パチーンとはじくように切れないことだ。ゆっくりと柔らかくサクッと押し切れるのだ。好き嫌いもあるかもしれないが、 私はこの爪切りのように、じんわりと押し切れる方が、爪の切り口が白く なることもなく、角がきれいに切れるので好きだ。

 

中年になってくると爪も乾いてきて、ダメな爪切りを使うと、爪が割れる こともある。しかしこの爪切りは、湿度を失った私の爪にもやさしく、心地よく切れる。 じつは、この爪切りには、爪ヤスリが付いていない。ふつうの爪切りのヤスリが付いているところに3本の細い溝が掘ってあるだけだ。この3本の溝は何なのだろう? おしゃれなヤスリだと思って3本の溝で爪を磨いてみたら、まあまあきれいに仕上がったので、私としては満足しているのだが・・・。


あるいは、この爪切りで爪を切ると切り口がきれいなのでヤスリは必要ない ということか。その自負なのか。どちらにしても、この爪切りを私はこれからも一生使っていくと思う。

 

 

2009.3.18