1960年代・近くて遠い昔 ~Anti-age* Yes, we can !!

半世紀前に生まれた人が50歳になる。1960年代には、若者というカテゴリーのリミットは35歳位だったから、50歳なんてもう「老人」扱いされていた。ところが、今はどうだ!! 50歳はまるきり元気で自信に満ちている人が多い。90歳を超えるまで生き長らえるのが、珍しくなくなった。フランスでは100歳の長寿者が1900年は100人、1960年は977人、2010年は既に14,944人もいて、2050年には 6万人を超えると予測されている。こうしてみると、日本でもフランスでも、50年前より誰もが平均10歳分位は「若い」のだ。世の中が変わってきている訳だ!! フランス現代の週35時間労働制は48時間制だったし、1960年代に50歳の女性はもうお孫ちゃんのいる人が多かった。

 

50代で大仕事をなしとげ、巨万の財産家になるというのはごく稀で、エッフェル氏がエッフェル塔を建てた時は57歳、Swatchを生み出したニコラ・ハイエックは55歳、MacDonaldsのレイ・クロック氏は53歳の時だったという男性側には例外もあるにはあるが、ともかく男女共にほとんどが引退生活体勢に入っていた。現在では、「今から始まり」と言っても誰も笑わない。どうも50歳を境に皆が「若返り」に熱心だ。社会生活を全うして定年近くなり、自分にゆったりとした「時」と「環境」をプレゼントして「現役」社会人であろうと努める。そこでフランスでもBien être (良い体調)、即ち「老けない」ための湯治が喧伝されるようになって久しい。薬品でなく、若さを取り戻せるBio嗜好風潮にマッチしている。

 

料理と同じに、アジアの風習をアレンジしているところが、ヨーロッパ人にはモダンに感じられると私は見ている。風呂につかるといっても海水着でマッサージをしてもらう。花やロウソク、線香がリラックス感をかもしだす。西洋アレンジされたものが、またアジアに逆流して高級感覚?を生むらしい。

さて、コレがナンボ程のものか? ピンからキリまであるので、フランスの平均値を知りたい。今回の稿は、一人物のハナシでなく、皆が興味を持つのではないかと自己流に判断して、仏物価を調べた情報をお届けする。

 

・エッセンシャル・オイル〈10ml〉…… 5~10ユーロ
・灸〈1回〉…… 20~100ユーロ
・ヨガ実習〈1時間・グループ〉…… 15~45ユーロ
・身体マッサージ〈30分〉…… 35~120ユーロ
・催眠実習〈グループ〉…… 50~100ユーロ
・鉱泉入浴6日分…… 150~200ユーロ(ホテル宿泊は別途)
・タラソ〈海草や泥で1回〉…… 90~200ユーロ
・食生活・栄養相談〈1回〉…… 45~70ユーロ
・レーザー美容…… 100~200ユーロ
・長歩き〈田園や丘、山へ毎日半日の行程・6日分〉…… 350~600ユーロ
・「笑い」教室〈グループ〉…… 250ユーロ(2日間)/750ユーロ(5日間)

 

ざっと上記のようなものが、温泉宿内や周辺に用意されていて、各自が選択して適宜予約をする。旅費とホテル代は別途であり、普通は1週間〈6日〉単位でプログラムが組まれている。ただし、おトクな3泊4日パッケージ・ツアーも旅行会社で紹介してくれる。私が体験した黒海沿岸ルーマニアは、フランスのランド(Dax)/サボワ(Aix-le êBain)といった有名所の滞在より、旅費を含めても3分の1の値段で、しかも黒海プランクトン泥は無尽蔵にあって、ちょっと他に例のない位すばらしかった。そのせいか、ホテル客の80%はリピーターだった。最近はフランスから航空運賃が安いモロッコやチュニジアへのタラソ・パッケージ旅行がたくさん用意されている。筆者の個人的見解では、何といってもデラックスな雰囲気よりは、中身の濃い黒海沿岸がおすすめなのです。アンチ・エイジ対策は、日常生活から時には自分を解放してみることではないだろうか? そのために、普段一生懸命働くのだ!!
Yes, we can !!  Oui, nous y arriverons!

2010.06.14