女のおしゃべり(1)
50歳も後半に入ると、時間的に余裕が出てくる。子供も20歳位になると親元を出ていく場合が圧倒的に多いから、結婚当時のように夫婦2人になって、食事の支度、掃除、買い物など家事の量がへる。
幸い(?)夫がまだ現役で働いている場合など、定年で職を辞す迄、主婦はほとんど我が世の春という感じで、自由時間を作り、自分自身のために好きな事を見つけて「趣味」に忙しく時間配分をする。趣味で結ばれた同性の友人ができる。日常会話が充実して、これでシャキッとしていられる。
日本とのちがいは、地域ごとの活動が実に活発で充実していてありがたいという事。自由・平等・博愛の伝統下地があるから、住民が誰でも平等に参加できるように、活動は幼児から学童、若者、老人向きまで平均的に組織されて、市町村自治体ごとに予算が計上されて、運営のボランテアがいて、活発に、しかも持続する工夫が行われている。動きのない地域は市町村長、ひいては地域選出議員が無能ということになる。市民には結構高額な「地方税・住民税」が義務づけられているが、これは暮らしやすい社会の根幹だから、支払うべきという考え方で国作りがされた共和国なのだ。町づくりには、こういう活動を円滑に運ぶための集合場所“メゾン・ド・アソシアシヨン”や体育館がかならず存在する。各県庁・市町村役所の管轄下で、常駐職員も置く。
平素、交通機関や役所、商店などのサービスの質やいい加減さを我慢している日本人の私には、この地域社会の組織作りがとても“利巧”、だと感じられて、「物事には両面がある。やたらに税金を取られるが、郷に入っては、郷に従え」と自分を納得させる理由にもなっている。
【地域活動とは何ぞや?!】
《体育系》
体操、柔道、合気道、剣道、ヨガ、ストレッチ、ダンス(サルサ、カントリー、ジャズ)、ランドネ、ジョッギング、ゴルフ、卓球、気功、太極拳、サイクリング、ローラー、旅行(外国・国内)、アクア・ジム、ペタンク
《文化系》
絵画、木や陶器の絵つけ、陶芸、語学講座、ブリッジ、旅行、美術館巡り、映画鑑賞会、料理教室、コーラス、読書クラブ、ガーデニング・クラブ、骨董イスの張り替え、写真クラブ、天文 etc.
ここまでは講師についての習い事。地方自治体の援助があって(アトリエ用教室・体育館使用料。講師の給料等)、プライベートクラブの半額か3分の1の費用で参加できる。趣味講座を通じた隣人との友好が、遠くの血縁よりも、何かの時には頼りになるものだ。
《ボランテア活動》
上記活動を円滑にする各クラブの運営委員、教会活動への信者奉仕(古着などの寄付を受けて、それを欲しい人に無料で渡す組織、教会の案内役として、月に何度か受付で教区の案内)、貧者への食事サービス、移民に仏語を教える、身障者の援護、地域社会への奉仕(プライベート・ゾーン、私道部分を持つ住宅街地の住民自治体環境整備)
《市町村が後援する自治体行事》
年1度の町をあげてのがらくたセール(ブロカント)、春のマラソン大会、コンサート、無料植木交換会、復活際やクリスマスに子供のための余興等、65歳以上の住民を招待してクリスマス・パーティー等、地方自治体役所員だけでは間に合わない人手となる催事ボランテア