彼女たちと、、彼

彼とはSalkozy大統領。彼女たちとは14名の閣僚で、これらの女性大臣の誰かが毎日かならずTVに登場する。朝8時から夜は10時頃まで、土曜も日曜も返上、大統領に同伴して世界を飛び回る。しかも各国での夜会には宝石をつけ、Diorのロングドレスで装い、堂々とカメラのフラッシュをあびる。 絵になる才女たちは、政治家だからもちろん愛想も良い。

 

現場主義のサルコジーに指をさされぬよう、朝からどんどん視察にまわる。大変なエネルギーである。一体いつ流行の服や靴を買い揃えるのか、彼女たちの夫や子供はどうなっているのか、我ら凡人の想像をはるかに超える。


40歳半ばの美しい法務大臣は2月初めに出産し、前後あわせて5日間休んだだけで仕事に復帰して話題をさらった。母体に負担をかけすぎないか? しかし本人がいつも通り笑顔を絶やさず、よくしゃべるので、昨日はじめて自分の赤ちゃんを抱いた人とは誰にも思えなかった。

※写真は週刊 Le Figaro 誌から抜粋
※写真は週刊 Le Figaro 誌から抜粋

この女性大臣たちの平均年齢は55歳くらいか? いつから、こんなに女が表面にでてくるようになったのだろうか。重鎮の現国務大臣はシラック内閣で国防大臣だったから、洋上に浮かぶ戦艦での閲兵式にも軍用機に乗って駆けつけた。映像を見る度に、「きびしいな。彼女もすすんで参加したいわけではないだろう」と私は同情した。

 

今は経済も法も文化・教育も女大臣が牛耳っている。フランスで女性に選挙権が与えられたのは、日本や世界各国よりも20年ほど遅れてのことだった。いつの間にこの国は、大人の女を育てたのだろう。女性たち自身が長い年月「責任」を自覚し、「力」をためていたのだとも思える。

 

国際舞台において、いつまでたっても日本人が伸び伸びと振る舞えないために、その存在に重きをおかれないのが海外生活者には良く分かるし、残念で仕方がない。ひょっとしたら、若者と老人の両世代の中間に立つ50代女性が、日本の大人社会を成熟させる力になり得るのではないか?

 

ボヤボヤしていてはいけない。頭の体操、体の体操、少しでもキレイにしていよう。 50女の微笑みとガッツは、人を引きつけるのだ。

 

 

2009.4.23