<パリ発> パリのノエル
From 雪
今年もパリの街角に鈴の音とクリスマス音楽が流れはじめた。凱旋門からコンコルド広場まで2km450本の並木道シャンゼリゼ通りのイルミネーションが11月22日から点灯されたのを皮切りに、ブランドショップの並ぶモンテーニュ通り、オペラ座からヴァンドーム広場までの高級宝飾店の並ぶラペ通り、毎年子供が楽しみにしているおとぎの国デパートの動くショーウインドー等の工夫を競う飾りが、パリに一段と華やかさと風情をかもし出す。
恋人に、夫から妻へ、妻から夫へ、子供にと身近な人へのプレゼント・シーズンだし、この季節にパリらしさを求める観光客で通りは夜半までごったがえす。住所を持たない浮浪者が暖かい寝ぐらを求めて、一層の淋しさをかみしめる時節でもある。理由なく財布のひもを緩めないフランス人も、このシーズンはキリスト教徒らしく、路地や地下鉄近辺で手を差し出すふきだまりの人びとに小銭を気持ちよく与える。フランス中どこにでもある貧民救済の慈善団体が屋根のない人々に暖かいスープやコーヒーを無料提供する。人の心の温かさが計れる季節、それがノエルだ。
12月24日真夜中12時には、フランス中にある教会でクリスマス・ミサがあげられて、普段は教会に足を向けない向きも、近くにある教会の深夜ミサに出かけていくし、国家要人はノートルダム寺院でのミサに参列する。フランスはキリスト教の国なのだ。
2010.12.13