パリへの旅は、アパルトマンにショートステイしてパリジェンヌ

From ラ ムウエット

パリ、モンマルトルの坂道。 ピカソやモジリアーニが一時アトリエ兼住居として住んでいたbateau lavoir(洗濯船) と呼ばれる家のある広場。ここは当時、詩人や絵描きが出入りし、パリの活発な芸術活動の拠点となったところ。

観光客の足が絶えないこのカルチイエの広場に、主人の借りた小さなアパルトマンがある。一ヶ月におよぶ長期滞在の仕事でホテル住まいの大嫌いな主人は今回も友人の元メイクアップアーティストのモンマルトルの小さな部屋を貸してもらう事になった。

19世紀の終わりに建てられたというこのアパート、入り口を入るとコンシェルジュの部屋があり、その隣には古いエレベーター。 ギシギシとゆれながら今にも落ちそうな古いエレベーターを登る。廊下には大きな花柄のフカフカした古い絨毯が防音の為か敷かれている。

5階にあるアパルトマンは 寝室兼リビングの12平米ほどの小さな部屋。それにバスタブが風呂場の半分以上を占めてしまうような細長いバスルーム、そして2人で料理でもしようものなら全く動きが取れなくなってしまいそうな細長い小さなキッチン。 幸いにもアパルトマンの天井が高いのであまり圧迫感がない。

そして、何と言っても素敵なのは寝室兼リビングの部屋から見えるモンマルトルの景色。5階の窓から眺めるとモンマルトルには庭のある一軒家が思ったよりも沢山あって、そのせいか緑が多いのに驚く。


彼女の家にはほとんど家具と呼ばれるものがない。リビングに置かれたチェストとお風呂場に置かれた、ガラスのドアーの付いた棚があるだけ。

リビングのチェストは油性のシルバーのペンキで、お風呂場の棚はその隣にある鏡のふち同様にゴールドの油性のペンキでどちらも刷毛目をのこして塗られていた。

家具自体はIKEAの普通の家具なのだけど、どちらの家具もシルバーとゴールドのペイントの色合いがちょっとゴージャスにみえる。そしてペンキが光を反射して狭い部屋が明るく見えるという工夫が凝らされている。お風呂場のゴールドの棚の上はアクセサリーや帽子がまるでウィンドウディスプレイのように飾られている。

リビングのシルバーのチェストの上はワインを入れる木箱を利用した本棚。山のような本がほとんどの壁を覆っていてその上にちょこんと載せられたエッフェル塔のミニチュアや想い出の写真も飾られていてちょっとしたアートスペース。

一歩外に出ると美味しいパン屋さんやお惣菜の店が沢山あり食べる事には事欠かないし、天気がよければ近くのカフェのテラスで本を片手に一日過ごすのもよし。

家具を最小限に配置したこのアパルトモン、すごく狭いけれど、ちょっとだけ短期に住むのには楽しい。

家主さんがいない時だけ貸し出しに出るこんなアパルトモンの短期レンタルが今はパリでも大流行。一週間のパリ滞在をホテルの部屋で過ごさずに 、毎朝バゲットを買いに近くのパン屋に出かけて、夜はチーズとワインの簡単なディナーで過ごして。 ちょっとパリジェンヌの気分でショートタイムのパリ生活するのはどうでしょうか?

【パリのレンタルアパート 情報サイト】

「Home lidays」

「WIMDU」

「Go with oh」

 

 

2014.6.9

ラ ムウエット

フランス北部/ノルマンディー在住の日本人
趣味は読書とインテリア、壁塗りとペンキ塗り。
19歳の娘がいる。