見逃すな!「新骨粗しょう症」は怖い
ショックな話を聞いた。
以前仕事仲間だった女性が、転んで手をついた際に右腕の骨を折った。それだけでも、充分に気の毒な話だが、さらに悲劇は続く。
右腕が全く使えなくなってしまった彼女は、同居している母親を、以前から利用している老人ホームのショートステイで預かってもらった。
しかし母親に、保護者である彼女の、あたふたした心境が映し出されてしまったのだろう。夜中にベッドから落ちて、大腿部骨折という、最悪の事態になってしまった。
女性が寝たきりになる原因の2位は、脳梗塞や認知症を抜いて「骨折・転倒」なのだ。背骨や大腿骨が折れると、高齢者の場合は寝たきりになってしまうことが多い。
1位の「高齢による衰弱」は仕方がないが、骨折はなんとしても、防ぎたいものだ。
女性は閉経でエストロゲンの分泌量が減ると、骨を壊す細胞活動の抑制がきかなくなって、再生が追いつかなくなり、骨がスカスカになってしまう。これが「骨粗しょう症」だ。
骨密度に加え、最近注目されているのが「骨質」。
骨の主成分はカルシウムだが、その周りに張り巡らされているコラーゲンが劣化すると、骨の弾力性が保たれずに折れやすい状態になってしまう。骨密度は高いのに骨質が悪い状態を「新型骨粗しょう症」と呼ぶ。
「骨は年齢とともにもろくなる」と自覚して、閉経時、5年後、その後は1、2年ごとに測るとよいそうだ。
私は2年前に足の踵の骨密度を測り、Aランクをいただいた。
じつは、前述の腕の骨を折った彼女と私は元スタイリストなのだ。スタイリストは歩くのが商売。20代から鍛え抜いた脚で、50代の今も、ひたすら歩いている。
だから踵の骨のAランクは、あたりまえ。きっと彼女だって、脚の骨なら折らずにすんだのだろう。しかし、腕の骨はどうなのだろう。「私の腕の骨も彼女のように、簡単に折れてしまうのかもしれない」と急に不安になってきた。
骨粗しょう症とわかったら、即治療を。
そして、骨粗しょう症でないあなたも、私も、油断は禁物です!
運動と食生活改善を実践し、骨質を劣化させてしまう生活習慣病を予防して、骨質アップに励みましょう!
2013.9.12