いよいよ更年期~HRTのスタート(12)〜始めて一年半が過ぎました〜

47歳の私に起こったこと・・・おススメ本です。
47歳の私に起こったこと・・・おススメ本です。

こんな本、読みました。


Is It Hot in Here or Is It Me? (暑いのはここ、それとも私?)


ゲイル・サンドというアメリカのコラムニストが書いたこの本、日本題は「47歳の私に起こった事」で、1994年の刊行である。和題は意訳ではあるものの、内容はまさにその通りで、彼女がメノポーズという危機的状況をどのようにして乗り越えていったか、その紆余曲折が書かれている。15年前に出たこの本はアメリカでベストセラーとなった有名な一冊ということ。先日図書館に行って偶然見つけたのだが、うちに帰ってすぐにネットで注文!

 

ある日、シーツを濡らしてしまうくらいの激しいのぼせが始まり、ドクターショッピングを始める作者。安易にHRTを勧める医者に不信感を持ち、なんとか自然治癒ができないものかと占い師、助産婦、ヒンズー教の指導者、鍼治療、ヨガ、信仰療法、挙句の果てにはカルシウムを陰毛で分析するという栄養学者まで、ありとあらゆるところを尋ね歩く。その様子が何とも切実、かつコミカルに描かれており(例えば“ホームレスより悪い、ホルモンレス”という表現など、ちょっと笑える)、あっという間に読むことができる。


彼女の同年代の友人たちの努力も涙ぐましい。知恵を出し合い、メノポーズを切り抜けようと努力する姿。なんとかしてパートナーとの関係を良いものに保ちたいという思い、若さへの執着は時に痛々しくもあり滑稽でもある。けれど『二度と帰らぬホルモンを慕って泣くのはやめ、ホルモンのない状態に慣れていかなければならない』(本文51頁引用)と彼女らは立ち向かっていく。


でも、実のところわたしは同年代の友人と更年期について話したことはほぼ皆無。ご近所では30代の頃と変わらぬ様子でみな元気に挨拶を交わす。ましてや、たとえば“Sex and the City”なんかで良く見られる光景のように、自分や友人のsexについて実に真摯に語り合う、ということなどはおよそ考えられない。もしそれがわたしだけでないとすれば、日本のHRT普及が遅れているのはそのような土壌のせいもあるのではないだろうか。


本書では、HRTだけでなく、メノポーズを巡るさまざまな知識を得る事が出来る。様々な障害(症状)の描写のどこかに自分の症状と思い当たるところがきっと見つかって、対処の仕方も学ぶことができるだろう。巻末付録「更年期のために」ではHRTの基本から骨量がなぜ大切かということ、骨盤庭訓の鍛え方までがポイントで整理されておりそれだけでも大変役に立つ。骨粗鬆症はQOLだけでなく命まで奪うことがある、という事実は実に衝撃だ。


少々古い本なので、図書館や書店でのお取り寄せ(私はアマゾンのUSEDにて安価で入手)になるはずだが、一度チャンスがあれば是非一読を!同年代の親友と語り合っているような思いで読み進むことができるはず。  

 

~また次回、この本を巡ってHRTや骨についてもお話ができればと思います~

 

2010.11.11