いよいよ更年期~HRTのスタート(9)

HRTを始めて1年と4カ月。これまで毎月診ていただいた女医さんから、思い切って別の先生に変えることにした。病院に行く時、患者は症状そのものの改善はもちろんだけど、精神的な安心感もかなりのウエイトで求めるものではないだろうか。

 

待合室はいつも溢れんばかり。女子高生からOL、主婦、結構年配の女性、カップル・・・
そして、インテリアは柔らかい白が基調で、暖色系の花に清潔感のある陶器のオブジェ。一年半近く通ったクリニックは完璧に近いのだけど、唯一気になるのが先生とのコミュニケーション。残念なことに、“質問するのに気を使う”という患者としては最もつらいタイプ。
例えばこんな感じ。
「先生、膀胱炎らしき症状が続いたんですが、旅行先だったので病院に行けなくて。とりあえず持っていた抗生物質を三日間飲んだんですけど、改善しなくて・・・。」
『とりあえず持っていた抗生物質って? 実家が病院か何かですか? どうして抗生物質なんか持っているのかしら。勝手にとりあえず飲むようなものじゃありませんよ。』
またある時は、一ヶ月に2日か3日薬を飲み忘れた時があって、その分の薬が余っていることを告げると、
『ああ、そうゆういい加減な感じの飲み方をされていたわけですね。』

 

このようなやり取りがあると、だんだん必要最低限のこと以外は話す気持ちになれなくなる。些細なことで聞いておきたいようなことがあっても、臆してしまって質問することをあきらめてしまう。

 

そんな時、いつも頼りになる存在だったのが、ある医院のHP上の「更年期相談コーナー」だった。少し年配の男の先生なのだけど、ベテランの婦人科医で、数ある質問にも一昼夜の内には必ず返信を下さる。その回答は端的で解りやすく、他の方とのやり取りを読んでいるだけでもとても参考になるのだった。解り辛い検査数値、規定の薬を飲み終わる前に生理になってしまった時など、どんな質問にも素人にも解りやすい返答が頂け、しかも納得するまで何度も往復して答えて貰えるのだ。HRTは長く続けていくもの。コミュニケーションのとれる先生の元で、という気持ちから思い切って相談コーナーでお世話になっていた先生に変える事にした。

新しい先生は今までの経過や希望を丁寧に聞いて下さり、様々な選択肢やお勧めの方法についても説明して下さった。そして、飲み薬のプロデスゲンをメノエイドコンビパッチ、というものに変更。これは一枚でエストロゲンとプロデスゲンを補充でき、昨年から導入されたもので、飲み薬ではない分肝臓への影響も少なく安心できる。先々月から半量に減らしていたエストロゲンはもう一度規定量に。膀胱炎の為の抗生物質も下さり、更に分からない事があれば電話を下さい、とまでおっしゃって下さった。

話せる主治医を得た今の心強さと言ったら! HRTをするなら、こんなドクターのもとで納得しながら続けるべきだとつくづく思った。

 

 

2010.7.5