まだまだイケる長い髪

私が少女と呼ばれる年齢の頃、「長い髪の少女」という歌が流行った。GSブームの頃の話である。今も昔も長い髪は女性の象徴とされる。ただし、それはつややかな髪の話であり、ゴワゴワの髪ならNG。60兆個の細胞がプリプリと新鮮な少女の髪は、ほって おいてもスベスベのツヤツヤ。ところが細胞は日いち日と痩せ衰え、50の坂を越えると努力無しには保てない。


私は髪が長い。ウエストのちょいと上まである。油気の無い疲れた顔に、パサついた長い髪のアンバランスほど見苦しいものも無い。故に、いつも行くサロンの先生には切るタイミングを教えてくれるよう、重々頼んである。自分の顔は見慣れてしまい、 客観的に見る事は難しい。先生は、「まだまだイケる」と太鼓判を押してくれている。


髪は染めていない。白髪はちょいちょいと抜く程度で済んでいる。染めないので髪の痛みが少ないのはラッキーだ。しかし、だからといって何もしない訳ではない。疲れない程度に手はかけている。

 

もともと髪に頓着は無かった。数年前のある日、スポーツクラブに入会した。シャワールームにはリンスインシャンプーが備え付けてある。これは便利とばかりに、それを使わせてもらっていた。ところが髪が妙にキシキシとしだした。そのことを例のサロンの先生に報告すると、シャンプーが良ければ髪は見違えるほどキレイになる とのこと。しばらくして、私はシャンプーとリンスを高級品に変えた。

 

手入れは洗ってリンスするだけ。洗い過ぎにも注意する。原則いち日おきに1度洗う。若い頃からの習慣で2度洗いをしていたが乾燥がひどいので1度にした。丁寧に洗えばこれで十分である。洗い終わったらタオルドライをしてすぐさまドライヤーをかける。その際、ほんの少しだけスタイリング剤をつける。ドライヤーの熱から守ろうという、髪に対するせめてものいたわり。

 

要するに当たり前の最低限の事をしているだけ。髪がきれいだと褒められるたび、最小限の事を例外無くやり続けることが、「長い髪のおばさん」を保っている秘訣だと思っている。

 

2009.3.12