えっ? 50肩 

あの日、いやにはっきり、そして、先生は何故かにこやかに、病名を私に告げた。


「典型的な50肩の症状ですね!」


6月に肩を捻って負傷してはいたけれど、それほど痛みがあるわけではなかったし、ようやく動きも元に戻りつつある…。そう思っていた9月終わりの頃、突然睡眠中に左肩がジンジン痛みだして目が覚め、眠りを妨げられる日が続き、これは今までとは違って何かおかしいと感じて病院に行ったのだった。


「ちょっとした出来事が50肩の症状を引き起こす事ってあるんですよ」なんて、さらっとなんでも無い様子で言い放つ先生。


心の中では冗談じゃないわ、何で私が50肩になるの?と納得がいかないが、睡眠時に痛み、それに伴いに前にも上にも横にも背中にもうまく挙がらなくなる左肩の状態はまさしくその症状を示しているらしい。普段から少しは鍛えているつもりだし、加齢的変化からくる筋力や関節あたりの機能低下が原因の痛みなど、何の根拠が無いにも拘らず、自分には一切関係ないって信じていたから、突然訳も無くガツンとやられた感じ。ショックだ。

50肩の症状
50肩の症状

痛みと共に、肩の可動域が更に狭くなり、洋服の脱ぎ着に困り、髪のお手入れに不便、車のハンドル切るのにも「ウッ」と響き、日常の家事にも辛い動きが多々出てくる。本当は認めたくはないが確実に年相応に身体の中で何か困った変化が起きているのだ。この今の状態は私の自由で楽しい50代にとっては初めての辛い肉体的試練。でもそのまま落ち込んでなんか居られない。「まあ自然に良くなるのに半年から一年位かかることもありますね」との先生の言葉に、イヤ絶対早く治して見せるわと心奮い立たせ、現在リハビリ体操に励む日々。(原因も分からず、ある日突然始まり、ある日すっと治る事が多いらしい)


就寝中に痛むのは、血行が悪くなるせいなので、寝る時に温める工夫をし、日中は痛くない程度に内側の筋肉を使うようにし、肩甲骨を動かすストレッチもそ~っと恐る恐る。筋肉と骨の仕組みを解説している本も購入して理解を深め、とにかく早くこの症状を改善させたら、その先は「目指せ筋肉美人」だ。


自分がこの50肩の不自由さを抱え、周りにふと弱音を吐けば、なんと、「私も経験済みよ、もう3年越しだわ」だの、「実は私もそうなの左手が挙がらないの」、と言った同じような悩みを抱える女性がかなりいることを知った。見た目には困ったそぶりも見せないその強さたくましさはいったいどこからくるのだろう。

 

人生50年以上生きてきて、やれやれようやく自分の自由になれると思える時に襲ってくる加齢による身体の変化・不調。それでもやはり、毅然と美しくさわやかに、たおやかに進むのが素敵な50代女性の姿。まだまだこれから私たちの充実の時代がくるのだ、理不尽な痛みや不調に負けずに元気に頑張ろう!と自分を励ましつつ同世代の悩めるみなさんにも思いっきりのエールを送りたい。

 

 

2012.10.23