愛しき小瓶たち

小ビン オシャレ

最近冷蔵庫を開けるのが楽しい。食欲旺盛の息子たち3人がいた頃は、とにかくいつでも何か食べられる物を沢山詰め込んでいたし、いろいろ入っていないと心配だった。でも今は家族3人だけ。みんな揃って食べられる日はホントに数えるほどしかないから、食料も必要な時に必要な分だけしか買わなくなったので、冷蔵庫の中はかくも広かったの?というくらい空間が広がって明るくなり、奥まで見渡せるようになった。

 

そこに、使い終わったお気に入りのフルーツジャムの瓶や蜂蜜の可愛い小瓶を取っておいて、それに常備采を詰め自分ひとりだけの「ご飯のお伴」として楽しんでいたところ、ある時100円ショップで素晴らしいものを見つけた! 透明プラスティックトレイに取っ手のついたシンプルなものだが、増えていった小瓶たちにちょうどいいじゃない!とひらめいて買って帰り、早速スペースの空いた冷蔵庫で使用してみたら、格段に出し入れが便利になって、思い描いていた以上に使いやすい。何度も冷蔵庫を開け閉めして取りだす手間がいらないから面倒くさがりやの私にはこの上なく優しい。トレイごと引き出してガラスを通して主張してくるお総菜を眺め、どれにしようかな?と選ぶ贅沢。小瓶からちょっとずつシンプルな一枚のお皿に、まるでパレットに絞りだす絵具のように盛り付けたら、自分一人だけの時の手抜きご飯も豪華になった気がしてくる。生姜を煮たものや、漬け物類、黒豆、焼きたらこ、鮭、切干大根、昆布などなど、なんでもこの小瓶に入れて保存する思いつきに、我ながらなかなかいい!なんて思って、愉しい。

調味料 小ビン

この不要になった瓶が役に立つそのことだけでも、嬉しい気分だったのに、このトレイのお陰でまとめて一気に取りだせる! 冷蔵庫の中もすっきり、しかも、見た目がとても美しい! プラスチック容器に比べ、瓶は汚れも落としやすく、変色せず、中身が良く見えるのが何より魅力。考えてみたら、私はガラス瓶が昔から大好きだったのだと、キッチン中を見まわしてみて思う。冷蔵庫の中には大きめの再利用の瓶に自家製紅ショウガや、煮豚ソース、トマトソース等々。ガスレンジの横に、食材入れとして使っている縦長で大きめの瓶は結婚した当初から使っているお気に入りのホテル製ドレッシングの瓶だし、小さな食材入れの瓶はブルーベリーソースの小瓶たちで、何十年と便利に使ってきたことになる。また、ちょっとお洒落な広口瓶には柿の種やナッツ類をミキシングして保存、ビールのお伴に。

 

心豊かに暮らすことって高価なものやいろいろ贅沢なものを沢山持っていることではなく、気にいった物を、自分のアイデアと工夫で楽しく使ったり、あるものを生かして新しい命を吹き込んで自分仕様に活用することなのではないか、ようやくそんなことに思い至る大人になってきたような・・・。この様なことは、もしかしたら人生全ての事に通じるヒントになるだろう。若いころは随分と無駄なことも多かったし、買うこと自体が楽しい喜びや満足感だったけれど、沢山の経験を通して、結局装飾的な物は自然に淘汰され、残っているのは機能的でシンプルなもの。

 

さあ、これからも自分でいろいろ考えたり、ワクワク出来るものや時間で、新たな工夫をさらりと、さりげなく、自然に生活の中に活かしていけたらほんわか幸せ気分かしら。

 

 

2012.1.10