「青春の詩」サミュエル・ウルマン

いつ頃だろうかと、思いを巡らせて記憶をたどってみる。

企業のトップの方や、財界人の方々も当時新聞や雑誌などで、共感を得たといった感想をのべられて話題になった、幻の詩人 サミュエル・ウルマンの「青春の詩」に出会ったのは・・・

青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。

優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、

こういう様相を青春というのだ。

年を重ねただけでは人は老いない。理想を失うときに初めて老いが来る。

歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。

苦悶や狐疑や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ

精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。

年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るえるものは何か。

曰く、驚異への愛慕心、空に煌めく星辰、その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰、事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探究心、人生への歓喜と興味。

人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる。

人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる。

希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、

そして偉力の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。

これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の奥までも蔽い尽くし、皮肉の厚氷がこれを堅くとざすに至れば、この時にこそ人は全く老いて、神の憐れみを乞うる他はなくなる。

青春

この詩に惹かれて、毎年手帳を新しくするたびにその後方の一ページにこの詩を書き写すのが習わしとなった。

昔から青春と言う響きが大好き、「青春とは何だ」「これが青春だ」「青春時代」などなどドラマや歌や、小説に夢中になって泣いたり笑ったりしたまさに青春只なかの学生時代。

でも結婚して、子供を産んで育て、色々考える暇なく慌ただしく過ぎていった数十年。何だか忘れてしまっていたような青春。そして人生後半にこの詩に出会って、ふと心の中を覗いた。

青春の輝きは若い時だけのものではなく、過ぎゆくものでもない。常に湧きおこる心にほとばしる情熱が人を動かすのだと。

外見の衰えに心をすり減らし、様々な体調の変化も病院に行けば「老化」という一言であっさりと片づけられるこの年代。でもそんなことをいちいち気にしても仕方ない。

自分の置かれた場所でやるべきことに自信を持って一生懸命に取り組もう。過去を悔まず、将来の事も不安に思わない。

人生はよそ見をしている時間も確実に流れていってしまう、今を見つめることを忘れたら時は空白のままだ。

「青春」この奥深い、熱い、力湧きおこる言葉を胸に、心が老いることのないよう、人生の最後まで青春!であり続けたい。

 

 

2013.9.9