運をためよう!

私は月に一度、恵比寿から湘南新宿ラインに乗って鎌倉の骨盤矯正治療院へ行く。実はこのところ、忙しさにかまけて治療をさぼっていたが、思うところがあって治療を再開したのだ。

 

ことの発端は、三月三日に転んで両膝を酷く打撲したこと。近所の整形外科にかかり、骨や半月盤に異常がないことはわかっていたが、痛みが治まらないので、妹の紹介で治ると評判の整骨院にも通い始めた。すると、痛みの強かった左膝は画期的な速さで治ったのだが、利き足の右膝はなかなか治らない。そして、その右膝の痛みで上がりきれない右足が災いして、六月末にまた転んでしまった。二度目の転倒では右半身をコンクリートに強打して、腕と肋骨を痛めたが、一番痛めたのは、こころだった。

 

「このまま転び続けて、私のカラダは壊れていってしまうではないか」という恐怖感に襲われたのだ。

 

切羽詰まった私は、友人でもある鎌倉の骨盤矯正「虹治療院」の院長のO氏にメールをした。以前O氏の治療院に通っていたときに「骨盤を正常にしておかないと転んで大怪我をするからね」といわれていた言葉が、転ぶたびに思い出されて、行きたいとずっと思っていた。けれど、通い始めた整骨院で「腰の骨も痛めているから腰はいじらないように」といわれて、今は骨盤矯正はできないと諦めていたのだ。

 

虹治療院のO氏は、整形外科と整骨院での診断内容を丁寧に私に聴いて、焦りと迷いで頭がいっぱいになっている私に「大切なことは早く治すのではなく、本質的に治すこと。自分の治療計画を立てて、いつでも来てください」といってくれた。私は、すぐに予約を入れた。ところが、虹治療院へ行く日の朝、安心したせいか軽いぎっくり腰になってしまい、腰は老人のように曲がり、片足も曲がった状態で私は虹治療院へ行くはめになった。

 

O氏に会って、今朝ぎっくり腰になったと伝えると、「よかったね、今日で。一度に治して帰れるからね!」という言葉が返ってきた。いつでもポジティブシンキングのO氏のさらりとした受け答えは、なんとも心強かった。

 

治療を終えると、曲がっていた腰と右足が伸び、カラダのこわばりがとれたと同時に、こころのこわばりもとれていた。ひとは正常な状態に戻ったときに、それまでの異常さに、はじめて気づくのだとそのとき思った。

 

怪我の治療が長期化するにつれて、右足に痛みを感じながらも、足を引き摺る姿が人目につかないようにして仕事をこなしていた。それだけでもストレスなのに、一度ならず二度までも酷く転んで怪我をしてしまったことが、なんとも情けなく、カラダ以上にこころに傷を負ってしまったのだ。そして、私は傷ついた自分をなんとか癒して、これ以上傷つくまいと、一番の癒しを求めて行動した。今回のことは、目先の事柄に右往左往する私に、「こころの叫びに耳を傾けなさい」と神様が、O氏の虹治療院へ定期的に通うことの重要性を私に教えるために用意してくれたのだと思う。

 

萩本欣一著

今ちまたで話題になっている、萩本欣一著「ダメなときほど運はたまる」の考え方の元もそういうことなのではないか、と私は理解している。つらいときには文句や愚痴などいわず、夢でつらさを包んで我慢することが大事なんだそうです。つらさを我慢することで、運はたまっていくらしい。自分をうまく癒しながら、愚痴などこぼさずに、どんどん運をためちゃいましょう!

 

 

2012.8.28