9月の手

湿度がとても高いのに気温は30度を越えていない、そんな夏の始まりに身体がついて行かなかった。へとへとになってしまう、こんな悪質な夏も珍しい。

 

男性のいる会社では、仕事が熱を帯びてくると、冷静さを保とうとするかのようにいつの間にか冷房がきつくなっている。「ああもうっ!冷え過ぎ!」とクーラーのリモコンをひったくり、温度設定を上げる中年女性(わたし)。 これでよし。しかしまもなく、じわ~っと湿気がよみがえる。30分もたたないうちに、「やっぱりだめだねぇ」といいながらギブアップ。おばはんは「強風」の設定にしたりしている。そんなことを繰り返しているうちに、立秋も過ぎ、やっと湿気が減ってきた。

 

この冷房の空気が問題で、薄い皮膚の表面から水分を絶え間なく奪う。肌荒れは冬のものと思われがちだが、夏のほうがまずい。だから、顔には保湿を忘れない。 しかし、ついつい忘れがちなのが手の保湿だ。

 

電気スタンドの下で、じっと我が手の甲を見てみてください。手の甲に一面、縮緬みたいな細かい皺が投網でも投げたようにできていませんか?

 

わたしにはできています!(「!」をつけることではないが)

 

この季節、日焼けから早めに抜けるための顔のケアも必要だけれど、この手のダメージが意外に大きい。 女性の場合、顔はもとより、この「手」が「美しさ」に関してかなり大きな役割を持っていると思う。手が美しいと、その手の持主の生活全部が美しいのではないかと他人様に思われる。美人でなくても手が美しいと、全体的にポイント2倍な感じがする。他人の手は顔よりもずっと近くで見ることができるし、しかも化粧ができない場所なのだ(ここ大事)。 そんな場所がきれいなら、その人の全部がきれいだろうと思ってしまう、というわけです。

で、この手の甲の縮緬のような皺ですが、これは「へちま水」が効きます。作り方はインターネットでもいろいろ紹介されていますが、私はベランダで育てた「へちま」の茎を切って、そこから出た水(へちま水100%)を手に塗ります。

 

そろそろへちま水の収穫をしようかとベランダに近づくと、リリリリリリリッとアオマツムシが鳴いています。 手の美のための「へちま伐採」、栄養横取りの日が近いのです。

 

 

2009.9.1