twitterを楽しむ3

東日本大震災で亡くなられた方、被災された方にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 

311日。会社の倒れたハードディスクを戻し、しばらくしてテレビをつけると目に飛び込んできたのは美しい仙台平野がみるみる津波に呑まれてゆく映像でした。

 

 

 

 

1. twitterを見ていたら、人生を振りたくなった

 

313日、私は311日の244分の世界へはもう戻れないと実感しました。

 

これから、厳しい世の中になって行く、それに対応していく覚悟をしました。毎日流れて行くtwitterのタイムラインを見て、ちょっと人生を振り返りたくなりました。50代女性の私が生まれた時はまだ戦後の匂いが多少ありました。それでも飢えや戦争からは遠く、それこそ戦争を知らない子供たちとして現在に至りました。

 

小学生の頃、家庭排水のコメ粒や洗剤の泡が近くの小川に流れてくのを見るのは日常のことでした。その近くの田んぼにはオタマジャクシがいました。水俣病は遠い世界のことでした。

 

経済が急成長し、大人が働けば働くほど物質的に生活が向上しました。人口が増え公害がひどくなり、ついにオイルショック、トイレットペーパー買占め事件が起こります。

 

この頃、日本は、この経済成長を続けるためにクリーンエネルギーとして原子力発電を選択しました。人がそうであるように、国も面々の計らいで動いているように感じます。ですので、当時の日本に選択の自主性があったのかどうか、陰謀論のようなことを言ってもしかたのないこと。ともかくも、1971年3月26日、私が15歳の頃に、東京電力福島第一原子力発電所1号機が運転を始めました。

--- 全ての原子炉は米国のゼネラル・エレクトリック社(GE)によって設計された。原子炉形式は沸騰水型軽水炉で、7号機からは改良型沸騰水型軽水炉を予定。全ての施工工事は鹿島建設によって行われました。---ウィキペディアよりhttp://p.tl/KmAq

 

公害は減り、利根川の水も澄んできました。多摩川もたいへん美しくなってきました。公害の起きないクリーンなエネルギーを使って、私たちは、先代の50代にはない「豊かな時間」を持って生きてきました。原子力発電無しに生きて来た人など日本の国土の上には一人もいないと言っても過言ではありません。特に、東京は原子力発電の恩恵を受けて成り立っていることも忘れてはいけないと思いました。それが、現在、とんでもない被害と負債を私たちに与えることになったとしてもです。

 

一方で、蛇口をひねれば出てくる水も、わずか100円程度で買えるほうれん草も、春を告げる若芽や鰤も、なにひとつ人様の手を煩わさなければ手に入るものではなかったと、思い至りました。SEIYUで塩漬けの「三陸わかめ」を手に取った時、涙がこぼれて止まらなかった。

 

お金のある方がお金のない方にお金を渡して危険かもしれない設備を置くこと。それは、決して良い方法ではないと誰もが知っていても、それがその時代の私たちの総体としての意思だったということです(東京都知事選の結果を見るように、有権者の1/3以下であっても石原都知事は総体としての意思によって選出されました。民主主義はそんなにすてきなものじゃないのだと知りました)。その後、恩恵を受けていたその設備についてほとんど意識をすることなく生きてきました。

 

今回の状況は、東電のせいでも政府のせいでもない、結局は自分自身の問題としてとらえなければ、次へは行けないという気持ちになりました。日本人も日本の政府も原子力発電をハンドリングできるほど賢くない、ということが明確になったということです。

「バカなんだから、おれたち原子力発電使えない絶対」と思う一方で「原子力発電を今すぐ止めると4割は死ぬ」という気がします。

国土も揺れ続けています。とにかく原子力発電ではない電力を確保していく意識を持っていこうと心に刻みました。

 

2. twitterの情報の受け取り方

 

長くなりますが、清濁併せて流れて行くtwitterのタイムラインですが、やはり、これからも大切な情報ツールの一つと感じています。私のtwitterから得た情報の受け止め方の一例を書いてみます。新聞やテレビしか知らなかった私は、何でもすぐに信じてしまう癖があります。

 

例えば、「週刊ポスト」と「AERA」の表紙の差がひどいと話題に<2011-03-20(Sun)ニュース2ちゃんねる>です。

 

twitterで大量の「アエラひどい」が流れました。AERAの発行主体である朝日新聞社が酷い、と思って終わってはそこまでです。僭越ですが、この情報を「へー」で終わらせないために、とりあえず、ネット限定で何が出来るか見てみましょう。

 

1. twitterで【AERAの表紙がひどい】というツイートが流れます。

 

2. googleで「AERA」を検索してみます。

すると、「AERA」尾木和晴編集長が語る反週刊誌的な見出しをつくる が検索にかかりました。そこには、⑤見出しを決めてから走り出すという編集長のコンセプトがあります。なるほど、そういう作り方であれば、ブレないよう、あの表紙は正解なのだとわかります。これがこの記事の裏側、ということになるでしょう。

 

3.次に、twitterで、【アエラが謝罪 表紙の防毒マスクに「放射能がくる」 風評被害助長批判に 2011.3.20 21:47】というツイートが流れました。

 

ツイートはすべてのつぶやきが「広告的」と言えます。なぜなら、小さくてもフォロワーに配信するツールに他ならないからで、他者を意識するものだからです。ツイートをリツイートして広める前に、ツイートした方の背景を一度はgoogle検索をしてみる必要があると思います。例えば、AERAは発行部数を競う週刊誌です。当然、売れることを考えなくてはなりません。

 

おれたち大衆は、週刊誌が発売になるその時点で、放射能の知識ではなく、人と人が助け合うほうの情報を欲しがったのです。そこを編集長は見誤ったのだと思います。普通のセオリーで恐怖し情報を得て動くほど、安穏とした時代ではすでにないということではないかと思いました。

 

2011.4.14