にっこり

朝からずっと雨の午後3時。交差点まで来たときだ。自転車同士が接触した。傘がふっとんだご婦人(たぶん50歳代)と倒れた自転車を起こしつつ呆然とする紳士(たぶん60歳代)。


「怒った顔さえかわいいヨ」なんて言われるのは人生のほんの少しの間だけ。


歳を重ねることが経験を蓄積することなら、嫌な思い出だって山ほど溜まっている。それが、とっさのときに顔に出る。こわいことだよ、まったく。


人のふり見て我がふり直せです。もう若くない。だから私も、化粧品やサプリや通販の器具を試しては少しでも若さをたもとうとしているし、それはそれなりに効いているとは思う。 だけど最近、気持ちの持ちようが顔に及ぼす影響の大きさにアゼンとすることが多い。落ち込んでいたり、メゲたりしているすると、あっという間に2、3歳老ける。ババアになる。

 

逆に、些細なことでも褒められたりすると肌がピピッと潤う。うれしいことがあると、肌細胞がプリプリッと膨らむ感じがする。私の場合、ほんとに些細なことでも影響する。

 

ある日それに気づいてから、やってみていることがある。それは、微笑むこと。コンビニのレジでちょっと微笑む。喫茶店でコーヒーを頼んでちょっと微笑む。若い人ほどホッとして、はにかんだ笑顔を返してくれる。(そのおまけとして、年齢を問わずロボットのように無表情な人のじつに多いことに気づいたのではあるが) 

  
とにかく、こちらが微笑むことでぱっと笑顔になる若い人のなんと多いことか。若い人が愛おしくなり、そしてわたしも若返っている気がする。にっこりは、若返り。ということで、私の究極のアンチエイジングは知らない人に微笑みまくることなのです。

 

 

2009.3.12