夜更けの携帯写真

4年ぶりに携帯を買い換えた。それにはカメラ機能がついていた。

 

猫を撮り、料理を撮り、しばらくしたある晩、ふと自分の顔を撮ってみようと思いついた。


それがすべての始まりだった。 小さなレンズを見つめてカシャーッ!そしてうきうきと小さいモニタのオノレの顔を見てみたのです。ええっ、なにこれ!そこには、疲れたおばさんの顔がありました。ほんとうに、ほんとうに、おばさん顔でありました。
 
ウソだ、こんなんじゃない。カメラのせいに違いない。 もう一度、もう一度、もう一度。どんなに撮ってもモニタに映るのは、目にちからの無い、輪郭のぼやけたおばさんの顔でした。


もう、肩で息するくらいショック。 昼間仕事をしている間はできる限り頭をフル回転させ、その結果なんとか仕事もうまくいき、 だから、だからね、もうちょっとイケてると思ってた。イケてると思ってたんだよ、わたし(泣)。


友だちとアンチエイジングの話をしていて、そのことを話した。「やってみて?もうすごいんだから?もうね、オノレに愕然だよ」と。友人は「よくそんな怖いことができるわね?」と言った。やったことがあるに違いなかった。

 

怖い、たしかに怖かった。だけどね、あれからも、思い出すとやっぱりやってんのよね。 夜中に携帯で自分の顔を撮っている。それも、楽しかったことを思い出して、ニカーッと笑い、いい笑顔になるまで撮ったりしてる。 笑うと誰でもきっといい顔になる。うん、そうだ。これからは「表情」だ。表情使いで勝負だ。 誰かがわたしを思い出したとき、笑っている顔を思い出してくれれば、それに越したことはない。夜更けの携帯写真。うんと暇なときにやってみてください。いろんな意味でスリル満点です!

 

 

2009.4.1