極私的五十肩体験

五十肩というのになりました。そして半年が経ち、ようやく体が戻ってきたのでその間のことを書こうと思います。

 

初期症状(約1か月)

  • 左肩に違和感が起こる。
  • 違和感が肩に丸く、腕の中で棒状になってはっきりわかるようになる。
  • この頃、動いていると、つん、つんというふうに、何かが肩の中に育っている感じがある。

五十肩激痛期(約1か月)

  • どんなことをしていても重く、腕の付け根の芯がしんしん痛み、なにか熱い感じがする。
  • ものすごく融通の利かない棒が腕の中にある感じがして、昼夜不快感がつきまとう。
  • 痛みをカバーするために、姿勢が悪くなってしまう。左肩を使う意識を持たずに使ってしまったときは、お仕置きのように激痛が走り、声が出る。ううっと気持も落ち込んで、普段のストレッチも止めちまった。涙目で「鳴くと首輪から弱電が流れる仕組みになっている」という吠える犬対策首輪の残虐性に思いが至る。対象が何かするたびに痛みを加えれば、その対象は確実に、いじけ、矮小化し、言うことを聞く、とても嫌な奴になるだろう。
  • 見えない吠える犬対策首輪をされた気分で荒みつつ1か月が経過した。
  • 加えて、まるでどんくさいおばさんのようにゆっくりでないとコートが着られなくなる。右腕から先に袖を通してしまうと、左腕のときに「あうっ!」となるので、痛みのある左肩から着用しなければならない。それでも痛いものだから、颯爽とというわけにはいかない。ぐずぐずと動作の遅いおばさんにイラッとしていた若かりし頃のオノレが反省モードに入り、落ち葉が舞った。それがまたわびしくなさけなく、イライラした。イライラしてさびしくなった。ちょっと動くと痛い、寝ても起きても痛い。よく眠れるときは、飛んでいるときのスーパーマンのような万歳をして眠るのだが、その万歳ができずに痛みで起きてしまう。明け方、ガスストーブの前にしゃがんで「痛いよう」と声を出し、こんな孤独な人間はいないと思った。ブラのホックを前に回さないと留められないヤツになってしまった。

 

五十肩慣れ期(約2か月)

  • カイロプラクティックに行っても、うつ伏せに寝ているだけで肩がじわんと痛くなってくる。しかし、施術を終えると肩の痛みもやわらぐのだから不思議だ。痛みから身を守るために相当身体が歪んでいると指摘を受けた。あまりに痛いときは、無理をしないほうがいいとのことで、とりあえず而して雌伏して(難しい読みにくい漢字を使いたい状態)おった。

 

五十肩リベンジ期(続行中)

  • 痛みにも慣れてくると、ヘンな興味が出て、この動作は痛いか、おお痛い、ではあの動作はどうか、うっ痛い、等々しばしばチェックするようになった。結果はほぼ全部「痛い」のだが、やっていると少しづつではあるが、可動領域が増えて来ているような気がした。
  • カイロプラクティックの先生からはこの時期、アイロン体操というのをする許しが出た。この先生はホームページを作らせていただいている先生( http://www.c-and-o-dry-river.com)で研究熱心、五十肩対策の腕を伸ばす施術をしてくださったのだが、これが気持がよく、効いた。施術後、きちんとアイロン体操をしているとぐんぐん快方に向かった。痛みで運動を避けていた約3カ月の間に筋肉が硬くなっていること、年齢によって水道管にカルキがつくように骨にも似たようなものがついていて、それが痛みを生じさせていることも知った。五十肩の原因は複雑な要素が絡み合っているらしいが、身体(骨盤等)が歪んでいるとなり易いということは自分で身にしみて気づいた。肩は肩だけで機能しているわけではない。背骨が曲がっていれば連動していろんなものが曲がったりしてしまうのだ。

 

痛みが和らいできたら、無理をせず、すこしづつ身体の歪みを整えるような運動を取り入れていくと回復が早くなるように思う。

骨盤体操、腹筋、バーベルを振り回すことも復活させた。結局、日ごろの姿勢に気をつけること、というすごく当たり前の結論にたどり着いたのだった。

 

2010.3.29