五感を解放せよ、と誰かいう

群馬県尾瀬の入り口に、片品村というのどかな自然の宝庫がある。 山小屋管理人などを経て、この地に移住した木工職人、鎌ちゃんを尋ねたのがきっかけでこの地を知った。 東京から車で3時間ほどで静寂な森林に逃げ込むことができるという気軽さにすっかり魅了され、都会の雑踏に息が詰まってくると、片品に“戻っている”。

 

この片品村の一角に“遊楽木舎”(ゆうらぎしゃ)という山小屋がある。 8000坪の広大な農地に、自称“ラスト百姓”こと精ちゃんが片品の木材だけで、木工職人の鎌ちゃんと友人たちは7年前に山小屋を建てた。 創意工夫であつらえた見事な山小屋“遊楽木舎”に、この季節になると都会から若者や親子連れが憩いをもとめてを訪れる。

 

懐かしいあの青臭い味がするトマトやとうもろこしを腹いっぱいほおばり、手入れの行き届いた芝生の上を裸足で走りまわる。 この芝生の大地を裸足で踏み歩いてみると、足の親指、甲、かかと、ふくらはぎにしっかりと体重が移動しているのを感じて、次第に血行がよくなって足の裏がむずかゆくなってきた。 普段、偏平足で疲れやすい足なのに、足裏のつぼから酸素が頭のてっぺんまでゆき渡った。それ以来、私はこの “オーガニック”マッサージ器のとりこになってしまった。

 

片品村で発見した五感の代謝。利根川へと下る名水、澄み切った空気、肥沃な大地、そしてエネルギーを与えてくれる野菜や豆、美しい山々と森林に囲まれたこの地が与えてくれるのは、宇宙の生命力。

 

木工職人の鎌ちゃんは、木の年輪をみるとその木の生き様がわかると教えてくれた。 森を歩くと、木にも生きるうえでの戦略があってとても面白いらしい。 人間だけじゃない、野菜だって、木だって、この地球上の万物は、息絶えるまで立ち向かわなければならない戦略をたてて生きているんだよ、と彼は静かに語ってくれた。 地球上のどの木をとっても、一つとして同じ年輪が描かれた木はない。

 

この秋、自分の年輪を刻むために、片品での私のヘルスツーリズムが始まる。

 

http://www.oze-info.com/・・・片品村観光

パタゴニアのスタッフも訪れる遊楽木舎のオーナー、ラスト百姓こと精ちゃん。
精ちゃんのつくるトマトは、ある鬼才のフレンチシェフからも絶賛された。
http://www.regent-marunuma.com/yuragishya.htm…遊楽木舎

私の代謝力アップの大きなきっかけとなった人物。
木工職人、鎌田純男こと鎌ちゃん。
http://www.kannet.ne.jp/ringotei/tatu-muku.htm…木工房むく

鎌ちゃんが薦めてくれた人生の指針書
涙がでるほど、感動した。泣くことって、代謝アップね。
森の生活―ウォールデン (講談社学術文庫) ヘンリー・D. ソロー 佐渡谷 重信

 

 

2009.9.1