日本の出生率低下が止まらない。人口増やしたければ、移民の受け入れを!

 

 

 

   2020.06.10

出生率低下の問題は、いままで何度か書いてきた。先日の日経新聞に国別出生率のグラフが載っていた。 韓国が最下位で「1」人を切って、昨年には「0.92」人までに。日本は平均が「1.36」人、東京は「1.15」人に。

各自治体は、「産後ケア」「父親の育児参加」などなど、子育て支援をもっと積極的に提案していくというような記事が目立つ。 しかし、出産しない女性が増えているその根本は、そこだろうか。

哺乳類としてどの種より進化している人間。それでも、あいかわらず妊娠は女性がお腹で10ヶ月育てて産む。その行為は、どんなに、人類の化学や医学が進歩して、IT主導の時代になっても変わらない。いみじくも、先週放送された朝ドラ「エール」でも、主人公の妻、オトが「椿姫」の主役に抜擢され、一世一代の頑張りをしている矢先に、妊娠が発覚。当然まわりは、母体が第一と、降板を進める。そんな中、彼女がこんなことをつぶやく。「裕一さん、私の代わりに赤ちゃんを産んでよ!」と。女性として生まれてきたからには、母親として、生きることも素晴らしいこだ。けれど、目の前にある夢を、すくなくとも、一旦は諦めなければならない。それが、妊娠の現実である。肉体的に一番妊娠、出産に適している20代に、夢を追いかけるレースから、一旦降りなければならないのは、この男女平等があたりまえの現代社会において考えると、大変にそぐわない気がする。だから、自ずと、第一子の出産が30歳代にならざるを得ない。企業戦士として、また、仕事のスキルを磨いてから出産を迎えたいと女性が思うのはごく自然なことだ。10〜20年前までなら、まだ、専業主婦の地位もれっきとして確立されていて、20代の出産も当たり前だったと思うが、現代では日本でも80%以上の女性が、何かしらの仕事を持っている。

さらに、重要なファクターは、韓国の例を見ても然りだが、男尊女卑の歴史の長い国ほど、女性の社会進出には目に見えないガラスの天井が立ちはだかっている。その天井は欧米より、さらに一段と厚い。妊娠した女性は男女平等には扱われない!社会の見る目が違ってくる!みんなが揃って思うことは、無理しないで無事に子供を産むことが女性としての最優先事項!と。だからいま、このレースから一旦は降りてもらっていいんじゃないかと思う。本人にしてみれば、そのチャンスはあとにも先にも、今しかない!と言う場合が多い。 私は、その妊娠が発覚した6月4日の朝ドラ「エール」を観ていて、なぜか心が弾まなかった。なぜなら、戦前の日本と今の日本社会はそう変わっていないと実感させられたからだ。

何が言いたいかというと、日本政府がどんなに躍起になっても、今後飛躍的に出生率が伸びることはないと思う。しかし、人口減になった分、昔は社会に参加していなかった女性たちがあたりまえに働いていくわけだから、労働人口はそれほど減らない。世界的にみると人口増で、地球は大変な状況にあるわけで、先進国の人口が増えなくても、地球的に見ればなんら困らないのだ。それより、世界に溢れる難民たちを移民として受け入れて、日本国の人口を増やしていけば良いのではないか。純粋単一民族日本人にどれほどの価値と意味があるというのか。

今回のコロナ戦争で実感したことは、地球はひとつ。世界は繋がっている。我々はDNAで繋がっている。日本人とそれ以外の国の人々は兄弟なのだ。だから、人口が足りないなら、移民を受け入れればイイ。世界中の人々が、このことを真摯に受け止めたら、戦争は無くなるかもしれない。今現実に起きている、外国人労働者の雇い止め、解雇なども、軽減されていくのではないか。

最後に、これも、最近読んだ記事ですが、中学を出て競馬騎手になり、34歳までに通算600勝を達成。そこで、一度引退、男子を二人もうけて、5年後にカムバック。43歳の今も現役で活躍している「名古屋競馬騎手 宮下瞳」さんに、エールを送りたいと思います。まさしく、女性にとって理想の生き方です。夢を追いかけて、それを手に入れてから、出産、子育てをして、再び夢を追いかける。素晴らしい!これからを生きる女性たちには、ぜひ、目標として欲しい女性です。

タナカキヨミ