韓国映画「愛の不時着」を観た。ヒョン・ビンに恋してしまった!

 

 

 

   2020.07.18

2020年も半分が過ぎてしまいました。コロナ感染がアメリカ、ブラジル、インド、世界中をひきつづき震撼とさせています。 私の暮らしは、2月の後半からほぼひきこもり状態が続いております。スポンサーとはメールのやり取り、テレワークさえ、ほとんど必要としていません。 毎日を悶々とコロナウィルスが猛威をふるう世界を憂いながら息をしているだけといった毎日です。

そんな中、映画館にも足を運べず、映画好きの私が32インチの小さなテレビに甘んじて映画を観ている暮らしに、ふと疑問を感じました。 なぜなら、人はいつ死ぬかもわからない。今日という日は二度と来ないのだという思いに、突然いたり。 居住空間の美観を邪魔する大型テレビを断固拒否していたこだわりを捨て、55インチのやや大型のテレビを購入したのです。 そして、ハマってしまいました。ネットフリックスで観る韓国映画に。

「愛の不時着」は、1話1時間半。それを毎日3話〜4話、16話を5日間で観終えました。面白いのなんのって、息もつかせない。 出てくる役者たちは、端役まで含めて演技がお上手。ストーリー展開の切れ味抜群。ロマンスあり、サスペンスあり、微に入り細に入りよくできていました。 これぞ、エンターテナーの映画人たちが揃ってつくったと実感できるレベルでした。そのあとは、「アルハンブル宮殿」「ザ・キング」「梨奏院クラス」と、 韓国映画を観まくっています。それぞれに役者たちは違い、脚本も全く違うのですが、飽きない。それどころか毎度、その主人公たちに魅了されてしまう。

「パラサイト」も、数週間前に観て、なぜかのそ後味の余韻に自分でもびっくり。やはり、脚本の面白さと、役者たちの演技力が半端ないと感じいりました。 韓国映画を観る間に、ハリウッド映画などはさんで観ているのですが、韓国映画を観た後味と西洋映画を観た後味との違いに、あらためて驚いています。 私が東洋人のせいなのか。東洋人には、舌の奥上面にある「味蕾」の数が、西洋人より多いと聞いたことがあります。まるで、そんな感じなのです。 東洋人のもつ、生真面目さ、忍耐、控えめさ、怒り、優しさ、愛など、映画に散りばめられた調味料が、同じ東洋人として、ビリビリ舌にしみてくるのです。

韓国はいま、映画だけではなく、音楽の世界でも大活躍しています。「ブラックピンク」女子4人組、「BTS」男子7人組。どちらも、アメリカやヨーロッパまで、席巻。 グラミー賞までもらったりして世界の評価が高い。韓国語、日本語、英語で歌いこなしてもいる。私もすっかり、「BTS」の音楽ファンになりました。 その彼らと、日本の「嵐」「スマップ」「AKB48」などを比べてもらいたい、情けないけれど比べものになりません。

だからなのか最近は、日本のドラマを観る気になれないのです。もともとほとんどテレビドラマは観ないのですが、それにしてもあまりにもチープ。役者たちはダイコン、 脚本はスカスカ。人の心の機微も、怒りも、悲しみも、何も表現されていないと感じます。 調味料でいえば、塩と醤油と胡椒だけ。これが現在の日本のレベルかと嘆かわしい。いつの時代からここまで落ちてしまったのか、私たちの世代が、今の現役世代を育ててきたのです。 生ぬるく、飢えることもなく、おいしい食事と安全な環境、ゆるい愛。そんなゆとり世代といわれた30代〜が、あつい想いを何にもたぎらせることもなく、 良くいえばナチュラルに生きている。車もいらない、海外にも興味がない、あせって外に求めなくても、全て、この日本にある!という安心感の上に生きている。 もしかしたら、そういう国民の精神的安定が、芸術を生むエネルギーを溶かしているのかもしれません。今の日本の若者には、危うさがまるでない。それも、その親たち私たちが、 子供たちに与えた、子供を護ろうとして必死でつくった安全なゆりかごのせいかもしれません。

韓国は、アメリカやヨーロッパへの留学を希望する若者たちが桁外れに多いと聞きます。それは、北朝鮮の脅威がそうさせているともいえる。 しかし、そのおかげで、韓国の若者たちの生きるエネルギーは、日本人などとは比べものにならないくらい身体の奥深くで燃えたぎっている。 それが韓国の芸術を、経済を、下ささえして近い未来に、もっと、大きな爆発を起こさせるに違いないと予感させる。 最近も、韓国の電気自動車が、世界4位に浮上した!という新聞記事を眼にしました。

最後に、韓国映画の最大の醍醐味は、”人を想う気持ちの尊さ” をどの映画も貫いていることです。

日本の若者よ!もっと、壊れろ!吠えろ!と、老婆心ながら韓国映画にはまっている私はひとり思うのです。 日本人よ、もっと、セクシーになれ!

タナカキヨミ