「コツコツはペラペラなり!」

おいしい桃を一箱いただいたので、ママにおすそ分けをしたくて立派な桃を持ってママんちへ。

 

ピンポ~ン。

「Hello!」

「あら、マンディ。いらっしゃい」

 

リビングのテーブルの上には、何やら英文字(?)が書かれたノートが。

 

「ママ、仕事していたの?」

 

「ううん、これ英語じゃなくてフランス語よ。あしたフランス語のレッスンなので宿題の作文を書いていたの」

 

「ママ、フランス語で何かしゃべってみて。聞きたい!」

 

「それは、今度またね。ママは50歳までに5ヶ国語をしゃべられるようにって40歳の時に思ったの。例えばロンドンからパリへ行く時、機内で英語からフランス語に自然に頭を切り替え、食事や飲み物のリクエストももちろんフランス語でスラスラと、なんて思ったわけ」

 

「5ヶ国語って、何語と何語?」

 

「まず、母国語の日本語でしょ。次に英語、フランス語、そしてイタリア語にスペイン語」

 

「ふ~ん。フランス語をやっているということは今、3ヶ国語め?」

 

「そうなの。このフランス語がなかなか物にならず、今3ヶ国語めで足踏み状態なの。イタリア語、スペイン語といくはずが50歳はとうに過ぎちゃったわ」

 

「ママ、フランス語がマスターできれば、イタリア語、スペイン語は楽だと思うわ」

 

「そうよね、スペイン語はきっとイタリア語の方言みたいなもので、似ている単語なんていっぱいありそう」

そういえば前に、どのくらいフランス語をやっているの?とママに聞いたら、「今までに払った月謝で、悠悠1年間はフランスで過ごせると思うわ」って言っていた。と言うことは、たぶん10年以上は習っている計算ね。すごいなぁ、週に1回10年以上も続けてるなんて。先生に指されても答えられないし、思うようにしゃべれないし、劣等生なのってママは言うけれど、きっとこれは謙遜で案外フランス語で夢見たりしているかもね。

 

「マンディ、なんでもコツコツ続けることよ。マンディなんてまだ若いんだから、興味あることを今からママの歳まで続けたら、すごいことになっちゃうわね。あと30年もあるんだもの」

 

「コツコツ少しずつね。前から興味があるお習字を習ってみようかな」

 

「あら、いいじゃない、マンディが筆で書く字を見てみたいわ。味のある字を書きそうね」

 

こうしてママとおしゃべりしながら食べる桃も、また格別。こんなに瑞々しい桃の味は、日本に来てから知りました。

 

マンディ

 

2009.9.10