隠し味

ママの家に遊びに行って話が弾み、気が付くとあらもうこんな時間!なんてしょっちゅう。だんな様はそんなに何を話すことがあるの?と呆れ顔だが、話しても話しても話は尽きずの嫁、姑なのである。だからママんちでご飯をごちそうになることも多く、そんな時は私も一緒に台所に立つ。

 

昔はママのやることに、それ何? どうするの? なぜそれを加えるの? などといちいち質問をしていたが、今はママが作る料理の流れも分かってきて、要領よくお手伝いが出来るようになった。 

料理も「習うより慣れろ」なので、とにかくママが作るのを食べてはおふくろの味を舌で覚え、自分でも作ってみてからレパートリーに加えてきたように思う。最近は料理を作る楽しみに加えて、「隠し味」なるものをママから伝授され、何かを作る時にこの料理に何の「隠し味」を加えたらおいしいか、を考えるようにまでなった。目立たぬよう少量加えて全体の味を引き立たせ、まさに主張しない「隠し味」というこのでしゃばらない言葉もいい。時々知ったかぶりをして、市販の牛丼のタレにお味噌を加えるとコクとうまみがアップしておいしくなるよ、なんてママに教える始末。結婚前までは料理らしい料理をしたこともないイギリス人の嫁が言うこと?と自分でも感心することしきり。 

 

うまみを引き出し風味豊かになるのに、これを使ってます、と主張しない「隠し味」。かつおと昆布の出汁にゆず、にんにく、唐辛子、ゴマ、しょうが…。最後にゴマ油をちょっと垂らす、なんていうのも覚えた。知れば知るほど、日本料理はすごいね。

 

これからも益々料理の腕を磨いて、マンディのお料理はおいしいに決っている、とみんなに言わせたい。

 

マンディ

 

2011.1.25