「秋を着て、秋を歩く」

ハギ、キキョウ、ゴギョウ、ハコベラ...? 違う違う、えーっと・・・

正しくは萩、桔梗、葛、藤袴、女郎花、尾花(ススキ)、撫子が秋の七草でした。

 

春の七草は七草がゆで使うので、いざとなれば口から出て来るけれど、秋の七草は大体観賞用なので、 毎年覚えても又今頃になるとはっきりとは思い出せなくなってる。秋の着物のコーディネートに必要なのに。

 

10月は全国的には神無月。八百万の神々が出雲に集まり、縁結びの相談をする為、諸国に神がいなくなる「かみなし月」が語源とか。 出雲だけが神在月となるそうです。この季節、人間界でも農作物の収穫を神に感謝し祝う祭りや行事、スポーツ大会等が各地で盛んに行われます。

▲初袷はやはり大島。9マルキ総絣、乱菊。ランクが上の大島なので、少し金銀を使ってもOK。お呼ばれスタイル。
▲初袷はやはり大島。9マルキ総絣、乱菊。ランクが上の大島なので、少し金銀を使ってもOK。お呼ばれスタイル。

特別なところに行かなくても、お家で出来る行事もありますね。 今年は10月3日が中秋の名月です。

 

15年程前、息子が小3位の時、二人でお団子を作り、ススキを生け、バルコニーでウサギの居る月をみながら色々可愛い話をしてくれたのを思い出します。私自身、中秋の名月の深い意味も良く知らず、ただ日本の伝統行事を息子に伝えておこうと思い、一緒に楽しんでいただけなのだけれど、 思い起こしてみると自分流にアレンジをしながら日本の行事は家でやってきた気がします。

 

コーディネートを考える時、これからやってくる季節の行事を意識して全体のイメージを固めると易しいし、楽しいのです。10月は行事が沢山あり、コーディネートのネタに困りません。

 

▲江戸小紋の例 左から霰、流水、鮫小紋、 市松の中に行儀、鮫、極毛万筋。
▲江戸小紋の例 左から霰、流水、鮫小紋、 市松の中に行儀、鮫、極毛万筋。

着物は暖かみのあるしっとりした江戸小紋や染め紬、あまり厚手でない平織り風の紬類。 秋が深まると共に、紬も徐々に厚手のもの、温もりのあるものに変えていきます。

 

初旬まだ気温の高い日は、着物は一重でも小物に大地の温もりや実りの充足感を意識し、 暖かみのある鬱金色、黄土色、辛子色、木や草の実の深いさび朱や紫、焦げ茶など 深みのある落ち着いた色合いを持って来ると季節感がぐっと強調されます。

▲帯留め。
▲帯留め。

帯留めや根付けも夏の透き通るものとは対照的に、彫金や七宝、焼き物などが良く調和します。秋の七草だけに限らず、桜と共に日本を代表する花である菊も秋にしっくり調和します。 品良く、高貴な香りは雅な感覚を呼び起こします。

 

私は獅子座。太陽の子なので、夏が終わる=(イコール)一年が終わる、と寂しく思っていたけれど、来る初袷の季節のコーディネートを考えてると柄にもなくしっとりとした気分になり、秋も良いもんだねと着物のお陰で思えて来るから不思議です。

 

 

▲9マルキ総絣の泥大島。 乱菊がゴージャスなので、 普段着と言うよりパーティにも向く。 帯も泥染糸を使った 3重の風通織りのおしゃれな袋帯。
▲9マルキ総絣の泥大島。 乱菊がゴージャスなので、 普段着と言うよりパーティにも向く。 帯も泥染糸を使った 3重の風通織りのおしゃれな袋帯。

***11月16日(月)から22日(日)迄、『奄美の地・血・智』第2弾を恵比寿のギャラリー”POMAR”で開催します。***

 

そのために先日も奄美に染めに行ってたのですが、一年間で8回も行ってしまった。  

 

気持ちも身体も全身全霊、島にどっぷりで、パリに行く暇が無かったのだけどそろそろ2年振りに行ってこようかな...着物を着て。 オリジナルのヒョウ柄草履を履いて。ウ~ん、ヒョウ柄の帯も欲しくなってきた・・・

 

 

 

 

2009.9.17