『恋愛適齢期』50代女性のモテる時代がきた!

(C)2003 Warner Bros. Ent
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少し前に観た映画ですが、50代女性の皆さんにぜひ観ていただきたい映画をこのコラムの第1弾にご紹介します。 日本の題名は「恋愛適齢期」、ハリウッド映画です。ダイアンキートン演ずる56歳の劇作家「エリカ」が、モテモテなのです。

 

40年間、若い女性としか付きあわないというルールを守りつづてきた初老の実業家、ジャック・ニコルソン演じる「ハリー」と30代の美貌青年医師、キアヌ・リーブス演じる「ジュリアン」の両方に求愛されるのです。現実ではなかなかありえないことのように思えますが、同じ50代女性として、久しぶりに大満足の映画でした。

 

日本人男性は、40歳を過ぎたオンナを異性とは思わない風潮があります。どんなに絶世の美女で30代までモテモテでも、40の声を聞いたあたりから潮が引いていくようにモテなくなるのを実感するという話をよく耳にします。これは、古代から受け継がれたオスの中にある子孫繁栄のためのDNAのなせる技らしいのです。最近の脳の研究によりますと、男性は対象となる女性を見ると視覚が鋭敏になり、その女性が妊娠できるかどうかの本能的チェックに入るとか。ようするに、オッパイとか、ヒップとかに眼がいってしまう。だから、妊娠しやすい若い女性にすべての男性は惹かれてしまうのだそうです。

 

しかし、人類が繁殖だけを考えなくなってきたいま、オトコの繁殖脳に変化が起きてきてもおかしくないと思いませんか。ようするに、若い女性だけに男性を引きつける吸引力があるという方程式は崩れはじめているのでは。少なくとも、アングロサクソンの間ではその兆しは充分にはじまっています。

 

余談ですが、チャーズル皇太子の長年の恋人であり現在のお妃の「カミラ」婦人も、たしか8歳くらい年上だったのでは。 彼女ははじめから人妻であり、お世辞にもキレイとはいえません。ひと昔前なら、56歳のオンナが36歳のハンサム医師と プレイボーイの初老実業家の両方にモテるなんて脚本がハリウッドで映画化されるわけがありません。この映画のプロデューサーは、時代を読んでるなあ~と感心しました。文明の男女の行く先は、生殖本能だけでなく、もっと「魂としての本質を求めている」ということになりますね。年齢の壁さえ超えた、新しい関係が成立する。いよいよそんな時代の到来です。

 

これからの50代女性は、30代男性にだってモテるのが普通になっていくかもしれません。なぜなら、成熟した女性がもつ「知性」「気品」「慈愛」「忍耐力」、そして「包容力」は、まだ本能だけで生きている若い女性にはそなわっていないからです。シワもタルミもそのままに、ハリウッド女優だというのに臆面もなく等身大の50代女性を演じきったダイアンキートンは、ほんとうにチャーミングでした。それはやはり、彼女の内面がおばさん化していない、イノセントな魂を持ちつづけているからですね。

 

最後に、もうひとつ。劇中のフアッションやインテリアも、飾りすぎず知性的で完璧。特にハリーとのはじめてのラヴシーンのときに着けていた、薄ベージュに白いリバティー柄の入ったブラジャーが、知的なオトナの女性らしさを際立たせていました。

 

50代女性の皆さま、「恋愛適齢期」を観て、もう一度ご自分のこころのメンテナンスを。きっと、しぐさや笑顔が変わってきますよ。

 

2009.3.12