「サクラ待つ頃」

いよいよ桜の季節です。南北に長い日本は桜の開花予想も長期にわたり、春が忍び寄る様をじっくりと楽しむことができます。そして、私の住むところへは5月の連休頃にようやく到着です。全国の桜情報を耳にすると、庭に残る雪を眺めていても心弾むものです。

 

北海道はソメイヨシノが少なく、ほとんどが花と葉が同時に現れるエゾ山桜。ソメイヨシノの様な枝いっぱいに淡いピンクの花が咲き乱れる光景を味わうことはなかなかできません。私は東京で初めて、川沿いの桜並木がピンクに霞み、水面が散った花びらでピンクの川になる光景を 見た時は激しく感動しました。またそれが、そこかしこで眺めることができるのにも驚きました。

 

雪の降らない地域では1年中季節の花を楽しめるのが当たり前ですが、5ヶ月間雪に閉ざされる こちらは、まだうっすら雪が残っている地面からチューリップ、桜草、水仙、クロッカスの芽が現れ、 芝生も寒さに強い枯れない芝が冷凍保存されたまま白い雪の中から緑色の顔を出します。そんな強いものしか残れない北の植物たちは、春が来ると何もかもが一斉に早送りの映像を観るかのごとく、たくましく芽吹きだして花を咲かせます。春はもうそこまで‥‥うきうきしながら待っています。

今回の篆刻は「季春」、待ちに待った春の印です。篆刻の文字は本当に読みにくのですが、いにしえの美しい文字のデザインが篆刻の魅力にもなっているように思います。篆刻は彫る面に墨を塗り、反転文字を朱墨で書き、印刀で彫り始めます。彫りが深いと文字は力強く浮き上がり、細い線も鮮明に現れます。3月の額は桜の絵はがきに「季春」を、いつも隅に捺す小さな印は自分の名前の「洋」です。

私のホビーの先生は、NHKテレビ「おしゃれ工房」です。番組を毎回録画し、作ってみたいものだけをDVDに残します。ビーズで遊びだしたのも数年前のおしゃれ工房がきっかけでした。ビーズでは色々な物を作ります。ネックレス、チョーカ、ペンダント、イヤリング、ピアス、リング、グラスコード、ブックマーカー、ストラップ、コーム、グローブホルダー、かんざし、羽織紐、根付け‥‥きりがありません。

 

今回はネックレスを3種類作ってみました。ネックレスはごらんの通り1本のテグスに好きな石やビーズを通した単純なものが2本、あとの1本は レースのリボンにところどころビーズを付け首に巻くラリエットです。デザインはデパート、アクセサリーショップ、雑誌などからヒントをもらい、ビーズショップに行っては 綺麗なものや面白い石やビーズを見つけ、それらを組み合わせるのを楽しんでいます。ネックレスをブラウスやTシャツに合わせて自分のために作るのも密かな快感です。

ではまた次回、お元気で‥‥

 

2010.3.23