憧れの地

北海道の山しか知らない私は、昨年5月下旬、初めて本州の山登りを体験しました。九州最高峰、屋久島の宮之浦岳にある縄文杉までの登山です。往復11時間、緑深い苔むす山をしっかり堪能することができました。

 

朝まだ暗い平日5時過ぎだと言うのに、登山口に向かうバスは数人乗せきれずに満員で出発。私は夫と友人の3人組み、団体旅行でもないのに人がいっぱい、聞きしに勝る賑わいです。ひと月に35日雨が降ると言われている屋久島ですが案の定、雨の出発となりました。途中では日が射したり曇ったり小雨が降ったりのめまぐるしい天候でしたが、今までに見たこともない美しい苔に覆われた緑の世界に入り込み、たくさんの巨木の屋久杉が数々現れる中、高さ25m周囲16m、明確ではないが推定樹齢7200年といわれる縄文杉に辿り着くのです。その日の縄文杉は上部を霧のベールに包まれ、森の精霊たちがそこかしこに潜んでいるかのようなところにどっしりとそびえ立ち、今なお緑の葉を茂らせ、しっかりと根を張るその姿は雄々しくやはり感動的でした。私の憧れの地、屋久島はやはり特別な世界でした。

少しずつ日本列島を南下、今月の篆刻百名山は「赤城山」です。山に精通された方々が百名山の中からいくつか選ばなければならない時には、それなりにこだわりをもって選ぶことになると思います。北海道の山は登ったことのある思い出の山を選びましたが、本州の登山歴は上記に書いたように屋久島の山しか知らず、ただただ聞き覚えのある山と言う理由で百名山の中から選び刻しています。

 

そんな訳で、今回は「国定忠治」や「かかあ天下とからっ風」などでお馴染みの赤城山となりました。赤城山は標高1827.6m、榛名山、妙義山と並び上毛三山と呼ばれる連山となって、日本百景にも選ばれ、群馬県内の地元ではとても親しまれている山となっているようです。今回の篆刻は、三角の山型の中に三文字をユーモラスに刻しました。

 

 

今回の手作り品は、静かな色合いでネックレスを作ってみました。少しボリュームのあるビーズを入れて、夏のお出かけにカジュアルにもモダンにも、その日の予定に合わせて自由に付けてみたいと思います。

2011.6.22