甘夏柑

この季節、静岡から甘夏柑が届きます。静岡には親戚が多く、12月に入ると早摘みみかん、冬みかん、春みかん、甘夏柑と毎月のように美味しいみかんが届き、途切れることなくたっぷりと頂くことになります。ビタミンC効果か風邪を引くことも少なく、冬を乗り切ることができます。最近の甘夏柑は甘く、香りも良くて、とても美味しく食べやすくなっています。

新鮮な甘夏柑をそのまま頂くのが一番なのですが、たくさん届くと大好きなマーマレードを作ることとなります。皮は薄切り、果肉は丸ごとざくざくと切って種を取り、圧力鍋で煮ることで、ジュースたっぷりのトロリとしたジャムが出来あがるのです。トーストやヨーグルトにはもちろん、お肉料理にもつかいます。考えてみると北国にいながら半年間みかん三昧。贅沢に過していることに気づかされます。もうすぐ、北海道はアスパラの季節。こちらからも旬のものをお届けしましょう。

今回の篆刻は、論語から「六十耳順」です。意味は「六十歳で、異なる考えも素直に聞き入れられるようになると言うこと」とありました。長く生きていると多少丸くなり、反発せずに相手の話も受け入れる性格になってくると言うようなことでしょう。そうなりたいものですが、私の場合はなかなか六十耳順になるには難しそうです。しかし、ときに元気にやり合うのも若さの秘訣ということもあるかもしれません。

文字の形状はユニークな金石文字という漢字初期時代のものです。耳の文字は耳の形に似ています。

60歳を迎える友人に贈るBirthday cardに捺してみました。優しい彼女には必要のない言葉かもしれませんが。赤いクラフトペーパーに半紙を重ね、赤い糸の先に赤いビーズを下げ、カードを手作りしてみました。やはり、還暦に赤は外せませんね。

 

今回の手作り品は友人Nさんの作品、クロスステッチのバックを紹介させて頂きます。友人Nさんは何をするにも完璧にこだわる方です。この鳳凰のステッチは帯に刺す柄として本に載っていたとのこと。私がきものを着る事を知って、きものを着た時にと言って、お誕生日の贈物として頂きました。

 

とても細やかなステッチは織物のように見え品格があり、シルクの裏布は鮮やかなオレンジ色。センスの良さが光ります。どこを見ても、完成度の高さに脱帽するばかりです。ぜんまい紬の白地に細い格子柄のきものに麻の型染め帯、こんなコーディネイトでバッグを持つ日が楽しみです。

 

 

2012.5.22