「緑の夏を味わう」

今年の北海道は冷夏の予報がはずれ、6月下旬から30度にもなろうかという暑さが続きました。我が家の庭も華やかにバラが咲きだして、庭に出ると思わず笑顔になってしまいます。

 

7月初旬、こちらはオープンガーデンが盛んになるころ。私にもお気に入りの庭が1軒あり、そちらのお宅の庭ではこの季節4日間ほどオープンガーデンが行われます。お気に入りの理由は、まずガーデンの主であるマダムが魅力的!庭も広く、隅々まで手入れが行き届いていて、お花のセンスにも品があって木々も繁っています。ポタジェの畑も美しく、ブドウ棚の下でいつも素敵なご主人と食事をされているという理想的なガーデン生活を楽しまれているそうです。いずれにしても、どこのお宅の庭もさまざまな個性があり、理想の庭に近づけるために悪戦苦闘し、頭を悩ませながらも、それを楽しんでいるように思います。

 

また個人の庭とは別に、プロが作り上げた庭園巡りにもいい季節です。私の好きな庭園は花よりも緑の量が多く、手入れの行き届いているものです。手入れが行き届いていると植物が大切にされ、可愛がられていることを感じ、その安心感から観る側の心が落ちつき癒されるように思います。

 

帯広にひとつ、究極の緑の庭「眞鍋庭園」があります。そこは、選り抜きの針葉樹が贅沢に植えられた森のような庭園。初めて足を踏み入れた時はスケールの大きさと木々の美しさに衝撃を受け、その後は四季折々に行きたくなる庭園になりました。今は、北海道の短い夏を自然の中でしっかり味わおうとしている日々です。

今回の篆刻は「笹舟」です。田舎育ちの私は、子供のころには笹舟も笹笛も作って遊んでいました。田んぼに行き、サイダーの空き瓶を手にドジョウを捕まえたり、川に泳ぎに行ってカワセミを見つけたり、のどかな子供時代を過ごしました。今月の額は夏の風物詩、花火の絵はがきに「笹舟」を捺してみました。川面に浮かぶ笹舟を思って、少しは涼しさを感じてもらえるでしょうか。

先日、我が家の庭のサンデッキに陽射しを避けるためのシェードを作ってみました。帆布を適当な長さに用意し、上下に竹の棒を通して、下にレンガの重石を付けただけのいたって単純なものです。無地の帆布もいいのですが、花より葉っぱ好きの私は少し遊んで葉を散りばめてみました。庭から葉を集めて、ステンシルの絵の具(屋外使用可の物)を葉の裏側の葉脈がハッキリしている方に塗って布におき、キッチンペーパーを葉の上にあて静かに押すだけで出来上がり。庭にあるバラ、ミント、セージ、イチゴ、野ブドウ、ギボウシ、アスチルベなどの葉を採り、適当に散りばめながらmy garden leaves collectionやrose、mint、sage、strawberry などと書き込み完成。これで少しは、陽射ししのぎになるでしょう。

2010.07.26