豆まき

新しい年を迎え、穏やかに過しております。冷え込む1月が過ぎ、2月の行事、節分が間近です。先日、新聞の家庭欄に節分が取り上げられていました。節分とは、季節の分かれ目のことで、立春、立夏、立秋、立冬の前日を指しているようです。節分が特に立春の前日になった由来は、冬から春になる時期を一年の境とし、大晦日と同じように考えられていたためとのこと。中国より大晦日に悪鬼や悪霊を払う儀式が伝わり、宮中や寺院では、霊力が強いとされる豆(魔滅)をまき、邪気を追い払う行事として広がったようです。室町時代の京都では、すでに「鬼は外」と唱え豆をまかれていたとありました。

 

そんな中、全国の渡辺さんの中にはかたくなに豆まきをしない家があるそうです。「渡辺綱の鬼退治伝説」の渡辺綱がすでに鬼を退治してしまったので、まく必要がないと言うことらしいのです。ちなみに私の旧姓が渡辺でしたが渡辺綱とは無縁だったようで、毎年欠かさず豆まきをしていました。また、北海道は大豆をまかずに殻つきの落花生をまく習慣が強く、その理由も衛生的、片付けやすい、大豆より美味しいなど書かれてあり、どれも説得力のある理由はなかなか見つからないと終わっていました。伝統や歴史の浅い北海道の大地では、大豆の霊力よりも何よりも春に畑に蒔く大事な豆をバラバラとまくのは、忍びなかったのではと勝手に想像するのです。今年も我家は落花生を用意して「鬼は外!福は内!」と元気に豆まきをする予定です。


今年はじめの篆刻百名山は、「大山」です。鳥取県大山隠岐国立公園にある、標高1709m中国地方の最高峰です。大山は霊峰と呼ばれ、神社、寺社、仏像等が数多くあり、また西側から見る大山は「伯耆(ほうき)富士」と呼ばれ、まさにその姿は富士山のごとく美しい。しかし南側にある鍵掛峠から見る姿は一変し、同じ山とは思えない切り立った山肌の荒々しい雄大な景観が望めるようです。

 

今回の印は南側から見る大山のイメージになりました。「大」の字が朱文で「山」の字が白文、山には少し雪が舞っているような古色をつけ、複雑な文字の創りではない迫力が出せたような気がします。印材は2.5cm角の巴林石(ぱりんせき)です。

今年の1月は最高気温がマイナスの日々が続き、本当に良く冷えました。そんな日のお出かけの必需品は手袋です。バッグチャームにグローブホルダーを付けたものを作ってみました。タッセル好きの友人の注文です。華やかな彼女にぴったりのものができました。今、タッセル作りが楽しく、シルクや木綿の刺繍糸で色々なタッセルを作り遊んでいます。



2012.1.30