選手宣誓

今、暑いあつい甲子園では熱闘が繰り広げられています。

スポーツに汗を流したことのない私としては、ここまで来るためにどれだけの汗と涙を流してきたかと思うと、1試合1試合、残酷な結果がでるのを見ていられないのです。

勝敗に関係なく、誰もが簡単には味わうことのできないかけがえのない体験をして、十代の少年たちはふるさとへ戻って行くのでしょう。

今年は、選手宣誓代表に選ばれたのが北海道から参加している帯広大谷高校杉浦キャプテン。当然、道民としては開会式を見ることになりました。しかし相変わらず、どこかの軍事パレードのような入場行進には首をひねります。そして炎天下の中、各オトナ達は用意した長く折りたたんだ紙に書いたありきたりの訓辞を延々と垂れ、満足げに去っていくのです。球場の暑さを察し、いくらでも短くできるはず、こんな賢くないオトナ達にも首をひねってしまいます。やっと待ちに待った選手宣誓、抽選で杉浦君に決まったときのコメントは「暗記は得意なので、記憶に残る宣誓を考えます」ときっぱり前向きでした。その通りに静まり返った球場にひとり立ち、張り上げない、落ち着いた声で「…今生きていること、生かされている重みをしっかりと受け止め…」など印象に残る言葉で見事な宣誓でした。拍手。

ちなみに、帯広大谷は1回戦で惜しくも破れてしまいました。残念。

今回の篆刻は論語から「君子求諸巳」「小人求諸人」です。

「君子(人格者)は何事も自分の責任として反省するが、小人(つまらぬ人間)は何事も他人に責任を転嫁してしまう」と言う内容です。

まさに、君子は高校生で小人は賢くないオトナのような作品です。

3cm角の印材側面に1本は白文で、1本は朱文で刻した2本は、作品展に出品する篆刻です。年に1度、篆刻の作品展があり70点近くが集まります。一度に多くの篆刻作品が鑑賞でき、普段はなかなか目にすることのできない大作もあり圧巻です。

手作り品は、篆刻で使う印材を刻するための印刀を収納するものを皮革で作ってみました。お人形のサラちゃんのブーツを作るために皮革を探してみると、意外にも手ごろな数百円で手に入ることを知りました。簡単にミシンをかけられることも分かり、余った材料で何か作れないかと本を物色していると、本を買うまでもないほど簡単なペンケースが載っていたので印刀ケースにと早速作ってみました。

印刀はあまり使い分けるものでもなく、自分に合った物が1>本あると小品から大作までできるのが篆刻ですが、何故か何本か溜まってしまいました。ベージュの山羊の皮革を使用、グリーンの糸でミシンをかけました。今回はなかなかの実用品ヒット作になりました。

 

 

2013.8.21