Chapter 3: おんぼろ家でのキャンプ生活

北フランス・海辺の別荘改装記(3)

11月の秋休みを利用して、家の改装工事を見に行った。工事人が入ってリビングと台所の間の壁を壊したのはいいが、工事は放置されたまま。とりあえず電気は点くものの、天井も床も穴があき、暖房工事も途中で放置されていてガスも閉めたままで、暖房をつける事が出来ない。家の中は気温6度。仕方がないので暖炉に火を入れて寒さをしのぎ、 炭火を使って料理を作る。

 

リビングと台所の間の壁を壊したせいで、家中がホコリだらけ。何度掃除をしても、壊れかけた壁からポロポロとホコリが落ちてきてあっという間に家中にホコリが舞う。こうなったらしょうがない、「ホコリでは死なない」と割り切る事にしてリビングにマットレスをしき、寝袋と布団で家族全員雑魚寝する。

この家には鍋とフライパンとヤカンが一つずつ。3人家族のための3つの茶碗と3枚の皿があるだけ。それでも不思議と工夫さえすればなんとか食事が出来てしまう。ベルギーの家には洋食、和食に中華用と、数えきれないほどの食器や台所用品がある。が、そんなに色々な物が本当に必要なのだろうか? 3人家族のおんぼろ屋でのキャンプ生活が始まって、最低に物を削った生活。それでも不思議なことに不便を感じない。 郷に入っては郷に従え。

 

2011.2.23