Chapter 16:タイルの目地の修理

北フランス・海辺の別荘改装記(16)

どうしていつもこうなるのか? と思うくらい、主人が長期の仕事で家を不在にすると、なぜかいつも待ち構えていたように我家でなんらかの故障が起きる。

インターネットが繋がらなかったり、高いところの電球が切れたり、そのあたりはなんとか私でも対処できるが、今回は2階のシャワーの水漏れが起こり、すぐ下の階にある台所で水漏れがする。どうもシャワーのシンクとタイルや御影石の間にあるつなぎ目のシリコンが古くなっていてそこから水が漏れるよう。シリコンが古くなってシリコンがはがれかけていて、そこにカビが生えて、漂白剤で処理をしてもなかなか奇麗にならないので困っていたのだが、老朽化したその場所が水漏れの原因のようだ。

どうするか? 以前は職人に来てもらってシリコンを取り替えてもらったが、2年前の張り替えは確か主人が自分でしたはず。職人に来てもらうにはなかなかアポイントが取れないし、結講お金も掛かる。主人が以前やっていたのだから、それならば私にも出来るのでは?。。。

ということでまずはインターネットで『お風呂場のシリコンの修理の仕方』の検索をする。 YouTubeで見てみると、なんとなんと、沢山の修理の仕方の解説が出てくる。

どれも、修理の専門家ですよ〜、という感じのおじさんがお風呂の桶の中に座り込んで丁寧に自分のノウハウを説明してくれている。いくつかの YouTube をチェックしてみると、最終的にはどの方法も基本は皆同じようだ。

そして、どうもシンクの問題がある一部だけの修理をするよりも、今ある古いシリコンを全部取り除いて、新しいシリコンを全体的に注入して修理をした方が水漏れの原因が少ないようだ、、、。ヨーしやったるで〜、ということで、必要な材料を機具をチェックする。

古いシリコンをはがすのは大型のカッター、その後キレイにしたシンクやタイルを乾燥させ、油分を取る為にアセトンで掃除する。シリコンをまっすぐにつける為、タイルとシンクに境界線をクラフトテープでテーピングする。 シリコンは速乾性のものよりも24時間乾燥するものの方がとり扱いやすいとの事。シリコンを注入するピストン方式の注入器、そしてボロ布とキッチンペーパー。 YouTube を見ながらチェックリストを作る。

フムフム、大音響でロックを聴きながら、オンボロスエットを履いて、とりあえずは古いシリコンをはがす作業を始める。思ったよりも沢山のシリコンがタイルとシンクの隙間から出てきて、これは大変もっとシリコンを買い足さなくてはという事で、大急ぎで大工道具の店に足を運ぶ。出かける前にシリコンを取り除いた所をアセトンで拭いてその間に乾燥させておく。

シリコンをつける目地の幅を考えながらシンクとタイルにクラフトテープでテーピングする。角の部分は90度に切り込みを入れて、ともかく一気にシリコンが流せるようにしっかりした下準備をする事が必要と YouTubeで言っている。

さて、買ってきたシリコンの大型チューブをピストンの注入器に差し込もうとして、はてな?差し込み方が解らない! あわてて YouTubeで『ピストンへの差し込み方』で検索。やった〜、何とそんな解説も YouTubeで見つかる。

ついでにシリコンの注入口の切り方の解説も YouTube でチェック。そしておもむろにシリコンの注入。目地のところにシリコンの口を斜めに入れながらピストンを一定に押さえながら注入とは YouTube では言っているが、これがなかなかむずかしい。 テキト〜にシリコンが凸凹になりながらも注入が終わったら、食器洗いの洗剤に少し水を加えて指につけて、シリコンを目地の隙間に押さえつけるようにしながら平均にならして行く。シリコンが多すぎたところは取り除いて、足りないところに付け足してもいいと YouTube が言ってくれている。(ちょっと安心)

その後、シリコンが目地に平均的に注入されたら、約20分待って、テービングしていたクラフトテープをはがして。はがしたテープの端でちょっと盛り上がっているシリコンの部分を、洗剤をつけた指でチョンチョンとちょっとならして完了。後は1日シャワーを浴びるのを我慢してシリコンが乾燥すれば完成。

YouTube でチェックしてノウハウを見て始めたこの作業、思ったよりも簡単でしかも汚かった目地がすっかり新しくなってすごく清潔。

こんなに簡単に出来るのだったらもっと早くからやっておけば良かった、でもこれって全て YouTube のおかげ。

昔だったら、シリコンの箱に載っている解説を読んで作業の仕方を想像しながらやるしかかなかったかもしれないが、今は何人ものプロのノウハウをビジュアルで見て、一番適切な方法を検索して修理の方法を検討する事が出来る。本当に便利。困ったときの神頼み。ではなくて現代は、困ったときの YouTube頼み。

さて、次は何を修理しようかな?

 

 

2014.5.27