2013 New Year’s Walk
マヤの終末説も何のその、平穏に迎えた2013年お正月。
例年のごとく今年も「家正月」のカメラ小僧。
キリッと冷え込んだ三が日の朝、いつものように愛犬の散歩にでかけました。
この時季の東京は本当にすっかり空っぽで、人通りもめっきり少ない。
いつもこうならいいのに・・・と思いながら愛犬の歩き出す方向につられて歩きます。
あと数ヶ月もすれば薄桃色に染まるこの通り。
暖かなその日を待ち焦がれながら、身を切る木枯らしに震えます。
そんな寒さも何のこと、ちゃっかりとサンスポットを見つけた猫様に
「はいはい、もっと背筋を伸ばして!」と活を入れられ苦笑い。
空気の澄んだ冬の朝、住宅街の彼方にぽっかりと現れる優美な山、富士。
この日もまた、新年の幕開けにふさわしく荘厳なお姿をのぞかせてくれました。
この日は少し雲がかかっているのか、少々柔らかなシルエット。
それでも、いつものブルー&ホワイトの美しいコントラストに目を奪われます。
しばらく歩くと国道246。高架橋の下を渡って「サザエさん」の街に入ります。
そこには、カメラ小僧の大好きな区画整理されていない昔ながらの住宅街があります。
クネクネと入り組んだ、人と自転車しか通れない細い道。
そこにわざと入り込みます。行き止まりになったり、三叉路になったり、
一度入ると右往左往。
英国のハンプトンコートを思い出すのはカメラ小僧だけ?
迷路から抜け出し駅前の大通りに出る。
人通りもまばらで、歩道にまでせり出した自慢げな福袋たちがやけに目に映ります。
生まれてこのかた一度も手にしたことのない福袋。
中身を確かめずに買う勇気のない小心者のカメラ小僧であります。
やはり今年もすごすごと素通りか・・・愛犬に引っ張られる振りをしてその場を離れます。
お正月らしく神社にでも立ち寄ってみましょうか?
大通りに面した明るく小奇麗な都会の神社。
今年も赤い提灯がお目見えです。ぷらぷらと新春の風に吹かれてそれはそれは華やか。
人々が結んだおみくじの「リボン」。
真っ白なその紙はきちんと折りたたまれ、何列にも綺麗に並んでいます。
今年はどんな運勢でしょう? 大吉は出ましたか?
家内安全、合格成就、商売繁盛・・・
美しく几帳面な文字で、沢山の願い事が連ねられた絵馬たち。
プライバシーの損害にならぬよう、なるべく目をそむけながらシャッターをきります。
誰に言われずとも、一糸乱れず、整然と並べられた柄杓4兄弟。
参拝の前に、心身の浄化を行う神聖な場所。
人々が寒さの中、急ぎ早に手先を清めます。
この一年も何事もなく平穏に過ぎていって欲しい・・・。
きちんと番を待ち、静かに、つつましく、一年の願を掛ける優しそうな人々。
新春の神社に、誠実で実直な日本人の姿を垣間見ることが出来ました。
そんな国民性で良かったと、暖かい気持ちに包まれたカメラ小僧。
これからもその国民性を忘れないでいて欲しいと願います。
帰り際、通りすがったもう一件別の神社。
ぽかぽかと暖かな日差しを受けて、赤い鳥居が続く長い参道。その先は稲荷神社です。
正直、子供の頃から稲荷神社が少し怖い。
それでも勇気を出して行ってみよう。
たなびく沢山の旗の赤い色・・・清水が流れ出る恐ろしい形相のドラゴン。
やっぱり少し怖い。
そして・・・入り口に鎮座する狐の像。
こちらには、昔から決してカメラを向けてはならないような気がして・・・
この日も写真は撮らずじまい。
ご神殿をよく見ると、大きな鈴の下にもうひとつの可愛い鈴。
参拝客に振られて奏でるその音色は、とっぷりと深みのあるメロディアスな響き。
大小の鈴がステレオ効果を発揮しているようです。
その上の彫刻もやはりドラゴン。全国の稲荷神社がドラゴンで統一されているかどうか
詳しいことは分かりませんが、最初に訪れた神社とはかなり雰囲気が違います。
少々怖い気もする稲荷神社。
しかし、よく見るとかなり格好良いのでは?
最初に訪れた神社が女性的と例えるなら、こちらはかなり男性的であります。
こんなに真剣に神社を見比べたのは始めてかも・・・と思いながら
帰り道はまたまた細いくねり道。そこをわざと通って帰ります。
左右の景色を楽しみながら、五感を刺激しながら、ワクワク感を満喫しながら。
今年も良い年でありますように。
2013.1.11