Avenue

暦の上ではもう秋・・・。なのに強烈な残暑が続く初秋の日。


所用で近くまで来たついでに、そっと立ち寄ってみた懐かしいAvenue

いつまでも続く濃厚な湿度としつこい熱気に閉口しながら、

早く秋が来ないかと憧れにも似た思いで木陰を歩く。

 

ちょっと忙しい日々が続いたこの夏。

夏休みを早く取ってしまったせいか、そろそろ次の休みが恋しいこの頃。

 

余計な雑念を払ってくれるはずの仕事がふと途切れた時、

自分の生き方に面と向き合わされる瞬間がある。

 

がむしゃらに突進してやってきた事は本当に正しかったのか、

我に返って見つめ直す時間。

 

気持ちが揺らぐといつも歩くこのAvenue

 

蒸し暑い空気を振り払いながらも、勇気を出して緑の空気を吸ってみる。

やっぱり自然は良い・・・気分爽快。

なみなみと茂る緑の大木を仰ぎ見る。

 

気が付くと足元に感じる秋の気配。季節はまわり、時間も動く。

でも、そう思うとちょっぴり寂しい。

暑いのが苦手だったのでは?

その時に及んで、またしても優柔不断な自分。

 

ついこの間だと思っていたあの頃も、我に返れば随分と昔の事。

20年以上もの月日があっけなく過ぎてしまった。

 

その間、この木々達はどのくらい成長したのだろう?

自分という人間はどのくらい大人になったのだろう?

少しばかりの齢を重ね、尊敬に値する人格を得られたのだろうか?

これから迎える新たな20年。またがむしゃらに生きていっても大丈夫なのだろうか?

 

美しく、堂々と立ち並ぶ深緑の木々。

もうずっと昔からこの地にそびえ、無数の歴史を重ねてきた木立。

計り知れぬ試練と喜び。それをしっかりと生き抜いてきた勇者の姿。

強く、たくましく成長を重ねてきたAvenueがある。

「そんな小さなことは気にするな・・・。」

若輩者の私を勇気付けているのかもしれない。

 

緑の空気に包まれたカフェ。

少しここで休憩していってもいいのでは?

一息入れて、新しいひらめきを待ちませんか?

しかし、結局、またがむしゃらに次の目的地へ向かって移動する。

 

静かに自分と向き合いながら歩くAvenue

大丈夫だよっと言ってくれるAvenue

今日もまた安心して帰れます。

ありがとう。

 

次に会えるのはあなた達が黄金色の衣を纏い、

さらに多くの人々を勇気付けている頃かも・・・。

その時もまたよろしくお願いします。

 

それでは、しばしの間

au revoir

 

 

 

2012.9.10