神楽坂の情景

皆さま、こんにちは。すっかりと秋も深まり楽しい行楽の季節となりました。カメラ小僧アンブリッジローズも陽気に誘われ、お出かけ気分満々です。さて今回はどこへ繰り出しましょう?


そうだ! 神楽坂! 神楽坂へ行こう!というわけで即決した今回の散策地。実は以前からずっと行きたかった場所であります。東京に居ながら、古き良き時代の日本が感じられる、そんな街・・・噂は常々聞いておりました。面白い写真が撮れるかもしれません。

密かな期待を抱きながら、朝の渋滞を交わしハンドルを握ること約40分・・・。ふふ~ん。何となく人間味のある街が見えてきました。それらしき通りにさしかかります。なるほど・・・ここが噂の神楽坂。嬉しい気持ちを抑えながら、駅から少しはなれたパーキングに車を停めてブラブラと歩き始めます。

何の変哲もない普通の大通りを登りきると、ありました。神楽坂商店街。とりあえず、駅の辺りから歩き始めましょう。大した下調べもなく、そのまま降り立った街。とにかく自分の目と足で、好奇心のアンテナに添って歩く事にしましょう。

目の前に広がるなだらかな坂道とその両脇に寄り添う各店舗。それは意外にも現代的で小奇麗ないでたち。大通りを挟み上下に分かれています。まずは下手を下り、左右に並んだ古い商店を眺めて歩きます。

古い靴屋さんに瀬戸物屋さん。新鮮な食材に満ち溢れる八百屋やスーパー。朝の支度に忙しいその街は、すでにポジティブな活気にみなぎり沢山の人々が行きかいます。可愛らしい石畳の歩道がたっぷりと広がり、庶民的で、暖かで、どこか懐かしい雰囲気。

カメラ小僧の心をうずかせるのは、小粋に活用された渋みを効かせる年代物の建物。まさに歴史があるからこそ出来るお洒落な発想。

思わず微笑えむ遊び心満載のサインなどなど。歩いていてもとても楽しい商店街。

 

しかし、カメラ小僧、どうしても・・・何が何でも気になる裏通り。絶対に覗いてみなければなりません。こっそり曲がったその先は・・・思ったとおりの別世界でした。

十手片手のお役人が今にも飛び出して来そうな古い坂道。クネクネと湾曲するその道は細く不規則に連なり、非都会的で、しかし大変魅力的。江戸情緒たっぷりのノスタルジックな光景が広がります。

敷居の高そうな赤壁の料亭や、小料理屋の、それはそれは控えめで地味な看板を携えひっそりと潤う石畳。襟足をくっと下げた芸者さんとすれちがうかもしれません。日が落ちてからの界隈は更に輝きを増し、妖艶な光を灯すにちがいありません。

また別の路地裏は、昭和でレトロな趣き。幼い頃走り抜けたような古い住宅街に迷い込みます。古アパートの、施錠もせずに開け放された入り口からひょっこりと覗く「招き猫」。その下の、昔銭湯で見かけたような古びた下駄箱・・・。猫が多い神楽坂。噂のとおり、やっと「猫」に出会くわします。(笑)

何とこちらは仰天の光景!アンブリッジローズ、実際、このような光景に遭遇するのは始めての事。しかも東京のど真ん中です。あまりの衝撃に、もう何が何だか分からず興奮状態。仲良く並んだ三尾の素晴しき銀色に目が眩みます。

そう言えば、この神楽坂の一角に、都内唯一を誇る「富士見スポット」があり、そこもマンション建設の影響を受け、なくなってしまうという特集をテレビで見た事を思い出しました。悲しきかな現代人。我を忘れて開発を進め、本来の美しい日本の姿を台無しにしているようです。

 

2012年、現代と古き良き時代の日本が今尚混在する神楽坂。開発の波に負けずその素晴らしい歴史と文化をいつまでも引き継いで欲しいと願がって止みません。

帰り際、もう一度商店街に戻って出会った料理店のフグさん達。殺風景な水槽の中にたむろしながら・・・

一尾だけこちらに向かって来て・・・

にっこりスマイル。君も儚く消えていくのか? 何も知らずに人懐っこいフグ君なのでした。

 

アンブリッジローズの神楽坂Visit はこうして幕を閉じたのであります。何とも不思議で魅力的な街・・・。今回もリフレッシュさせて頂きました。ありがとうございます。アンブリッジローズの写真でアンチエイジングでした。

 

 

2012.11.12