「初めての尾瀬」

山登りが大好きになったのは尾瀬に行ってからだ。何度も尾瀬に行っているという会社の同僚に連れて行ってもらった。私に山登りなんてできるかな? ちょっと不安だけど・・・日時は水芭蕉が見れるという6月16、17日に決まり、装備も教えてもらう。服装はパンツに運動靴、汗をかいた時脱いだり着たり衣服の 調節が出来るように重ね着、寒いときの為に防寒着、雨具はゴアテックスがいいけど今回は400円のビニール製雨具に折りたたみ傘でいい、リュックと帽子と 水と日焼け止めと・・・

当日、会社の営業職の女性7人で出発です。全員山登りスタイルでバッチリ決めて新宿都庁前に集合、バスに乗った途端すぐに爆睡、目が覚めたらもう群馬県戸倉でした。1日目は戸倉に到着後温泉に入り、昼間から宴会。夜は旅館泊で又宴会。次の日ちょっと二日酔いだけど早朝バスで鳩待峠へ、ここが尾瀬ヶ原の出発点です。尾瀬ヶ原を4~5時間散策し、又鳩待峠に戻ってきます。50歳過ぎた私の為にゆったりのコースにしてもらって、みなさん気配りありがとう。
鳩待峠標高1590mから尾瀬ヶ原標高1400mまで下って行きます。新緑の森の澄んだ空気を胸いっぱい吸って、道端の小さな花々に足を止め、上を見上げて葉の間からの木漏れ日に見とれ、透き通った川の流れに歓声を上げ、所々に見え始めた白い水芭蕉に感動しながら、これこそ本当の道草だなんて思いながら尾瀬ヶ原を歩きます。
すばらしいお天気に恵まれ、一番若い29歳の深尾ちゃんは強い日差しに半袖姿、帽子を忘れた内藤さんは折りたたみ傘を日傘にして皆の笑いをさそいます。
野原の中によく整備された木道を1列に並んで歩きます。尾瀬は自然保護の為、木道以外は歩けません。辺り一面に広がる水芭蕉の放つ圧倒的なエネルギーに感動し、植物も空気も水も光輝いて、心も身体も癒されます。私達が歩く正面にはヒウチヶ岳、後ろに至仏山、残雪の二つの山に挟まれて尾瀬ヶ原は広がっていま す。尾瀬の夏は短いけれど、高山植物がそこかしこに咲き乱れ、辺り一面のお花畑の美しさに感動します。黄色い可憐な花のリュウキンカ、風に揺れる白いワタスゲ、チングルマ、ニッコウキスゲ、ゴゼンタチバナ、花にエネルギーがあるのを初めて知りました。

あれからもう何度尾瀬に行っただろう。山小屋に泊まってヒウチヶ岳や至仏山にも登ったし、秋の草紅葉の尾瀬ヶ原も尾瀬沼も歩いた。いつ訪れても尾瀬は美しい。いつも感動と癒しをもらって東京に帰って来る。今度は雪深い真っ白な冬の尾瀬を歩いて見たい。

 

 

 

2010.3.23