「北アルプス立山」

富山県にある立山は、富士山、加賀白山と並ぶ日本三霊山のひとつで山岳信仰の聖地である。今回は楽しみにしていた雄山(おやま)神社の参拝も実現した。 立山は立山黒部アルペンルートが開通して観光メッカとなっており、扇沢からトロリーバス、ケーブル、ロープーウエイ、トンネルバスと乗り継いでやっと室堂ターミナル駅に着く。観光客で大賑わいの広場を抜けて歩き始める。夏の短い間だけ咲く高山植物のお花畑が一面に広がり、花のオーラの中を歩く。私の普段の行いがよろしいようで(笑)、天然記念物の雷鳥にも会えた! 白と黒のブチの毛で、丸々とした身体で歩きまわる鶏より一回り小さなとても愛くるしい鳥だ。途中からあいにく雨になり、ひたすら辛抱の単調な登りとなったが、別山乗越の山小屋「剣御前小屋」にたどり着く。

この小屋のまん前にドカ~ンと鎮座する日本アルプス最難関の山「剣岳」3000m(映画でもお馴染み)、なんと険しい山だ・・・いつか登って見たい。仁王立ちになってしばらく見とれる。この山に2年後に登頂するぞ!(注:1年後に槍ヶ岳登頂予定) 山小屋でストーブに当たりながら、室堂ターミナル駅で買ったチーズをつまみにビールを飲んでおしゃべりしているといやに外が騒がしい。ダウンを着込み(山は夏でも0度で寒い)、ビール片手に外に出る。雨はすっかり上がり、山も雲もすべてがオレンジ色に染まり、眼下に見える夕焼けに皆大はしゃぎしている。あわててカメラを取りに小屋に走る。富山市や能登半島の付け根まで見える。明日は天気だ! 寒い雨の山登りで萎えていたところに雄大な夕焼けのプレゼント! だから山登りは止められない。

翌日はすばらしい天気。5時間程で立山を一周する。立山は5つ程の山があり、総称して立山と言っているが、その中のひとつに山岳信仰の雄山がある。頂上にとても小さい神社があり、天気のいい日には神主様が登山客の参拝を待っている(決してお人形ではありません)。とても可愛い小さな神社の中に座布団1枚のスペースがあり、そこに神主様がお座りになっていて、一人一人丁寧にお祓いをする。 一の越から雄山神社まで300mの結構きつい登りの岩場だが、お年寄りから幼稚園の子供まで這いつくばって登り、登山道が埋め尽くされている。70歳過ぎたおばあさんなどは、下山してもしばらく寝込むのではと心配になってしまう。立山信仰のすごさを見せてもらった。 やはり立山!

一生に一度は立山登山なんだ。

 

2010.11.12