海外からの「技能実習生」に、日本国のサポートをお願いしたいです。

 

 

 

   2020.12.31

2020年もあと、2日です。この100年、体験したことのないコロナというウィルスの脅威に人類はさらされています。こうしてパソコンの前に座ってこの原稿を書いている間も、地球上のありとあらゆる場所で、コロナウィルスは人から人へ自己の存在を変異させながら拡大しつづけているのです。それでも、時は前へ進んでいきます。2021年がやってくるのです。

そんな中、この2〜3日、新聞やテレビの番組などで、海外からの「技能実修正」についての話がクローズアップされています。日本に出稼ぎにきている「技能実習生」は、約40万人。そのうちベトナム人は22万人。彼らは、国を出るときに多額の借金をして仲買業者に支払い、日本へやってくきます。仲買業者に支払う金額は、日本円で平均が70万円くらいだということです。彼らは、日本のあちこちにある工場に派遣されていきます。住み込みで1ヶ月

8〜9万円の手取りがあるという話に説得され、彼らはやってくるのです。約1年間は、その借金を返すためにのみ働き。それからあとの数年で、なんとか目標のお金を稼ぎだすのです。

しかし、そこへコロナです。民間の下請け工場などは、仕事がなくなると、彼らをやめさせるしかありません。そこには、国の援助などはないのです。完全に使い捨て労働者でしかありません。なにが「技能実修正」なのでしょうか。名前ばかりがそれなりです。彼らは、その日の食事にも窮しているのです。結局は、自国に多額の借金を残したまま帰国せざるを得ない人たちも続出しています。

このコロナ禍で不安と恐怖で同じ同胞が身を寄せ合った結果、女性が妊娠してしまうケースもふえています。雇い主は「騙された!」などと被害者意識をむき出しにして、彼女たちを無理やり帰国させようとしています。いま帰国しても、借金が待っているだけです。この状況をどうやって回避すれば良いのか。結局女性たちだけが、責任を取らされてしまう。ベトナム人を支援するNPOも頑張ってくれているようですが、それらはある種、焼け石に水。労働力を他国に求めている日本国が動き出さなければ、彼らは本当の意味でこの国で安心しては働けません。「妊娠」という最も尊いことが、彼らをどん底に突き落としているこの現実には、同じ女性として心が痛みます。

その一方で、日本は人口減少に歯止めをかけるために、躍起になっています。ベトナム人の子供はどうでも良い。日本国籍の子供を増やしたい!そういうどうしようもない日本国男子たちの自国第一主義が、今の時代にまだまかり通っていることに不安を感じます。この国はまだ軍国主義のDNAを捨てきっていないのではないか!とさえ思えてきます。

最近、さまざまな場で取りざたされている「妊娠したかもしれないと思ったとき、すぐに飲むことのできるレスキューのピル」もなかなか薬局での販売にこぎつけられていません。先進国で解禁されていないのは、いまや日本くらいです。これも、性が自由奔放になってしまうのは如何なものかという日本国男子大臣たちが、解禁の壁を阻んでいる。 もしくは、中絶専門の産婦人科から怪しい資金がどこかに流れているかです。このピルが簡単に手に入るようになれば、少なくとも悲惨な状況に置かれることがわかっている出稼ぎの女性たちにも役立ったかもしれません。さらに、孤立したシングルマザーが子供を虐待してしまう事件を減らすこともできるのではないでしょうか。一人で産んで一人で育てるのは過酷すぎます。

子供産んで育て上げるには、「心とからだと経済と」それらの準備が十分にできてからでなければなりません。望まない妊娠は、誰も幸せにしてくれません。 まずは、人として最低限の幸せを確保することのできる社会であってほしいです。

みなさま、平和なお正月をお過ごしください。

 

タナカキヨミ