いよいよ更年期~HRTのスタート(7)

さて、前回三ヶ月に一度の定期健診の機会を伸ばし伸ばしにしていたことで、主治医の先生のお怒りを買ってしまった私。今回は、薬の切れる一週前に余裕を持って出かける。順番待ちの間には、お向かいの喫茶店に入ってオムライスを食べる♪という楽しみも見つけた。

 

検査結果のほうは、きわめて良好で健康体。さらに女性ホルモンに関しては入りすぎ(足りすぎ)とのことで、今回は新たな二つの方法を提案していただいた。

 

ひとつは、今まで二日に一回張り替えていた『エストラーナ』という貼り薬を、今回から半分に切って使用する、というもの。エストロゲンの補充量を半分にするためだ。そして、もうひとつは今までの貼り薬に替えて『ジュリナ』という錠剤をプロデスゲン錠剤とともに毎日飲み続けるというもので、生理を起こさない方法、ということであった。こちらなら、何日飲んで何日休みという排卵に合わせたシステムではなく、とにかく毎日二つ飲めばよいので忘れることもなく、なによりも生理がこなくなるのでとても楽になれる・・・・(先生談)ということだった。

 

「どうですか? まだ生理になりたい?」
「・・・・?」

 

これは、一年前から何度か交わされたやり取りなのだが、いつも即答できない、苦手な質問のひとつだった。どうしたものかと考えていたところ、
「生理がきたほうが、すっきりしてきもちがいいとか、あるいは喪失感を感じるというようなことであれば、今までの方法でもいいんですけどね。50才くらいで一度お尋ねして、どうも喪失感があるとか、抵抗があるという方には、次は55歳でもう一回お尋ねしてます。」
とのこと。なるほど、確かになければとっても楽なことには違いない。

 

「喪失感、って、わかるよね?」と先生。これは、けっこうデリケートな話題では? 生理がなくなって喪失感を持つかどうか。この年齢の女性でなければわからない気持ちだし、その人の女性観、現在の生活によっても大きく変わるはずだ。50歳で孫の世話をしている人もいれば、シングルで仕事をバリバリこなしている人もおられるだろう。恋人のいる人、あるいは若いご主人だったりしたら、閉経(メノポーズ)は女性としての幕引きを暗示するものに感じるかもしれない。 ましてや、私たちの世代は閉経後の長い女性の人生について習ったこともなく、語る先輩たちもいなかった気がする。

メノポーズ後の人生は必ず訪れる。でも私にとってそれは今日ではない。徐々に、少しずつ訪れるはずのもので、HRTはその日に向けて軟着陸をすべく始めたものともいえた。

 

とりあえず、私は貼り薬を半分量にして、今までどおりのHRTをもうしばらく進めてみることにした。メノポーズは喪失感とともに迎えるもの? うぅっ。重い。HRTとはもっと明るい気持ちでお付き合いしたいのだけど。女医さんというのは、時にやさしく、時にかなりきつい・・・。

 

 

2010.5.10