深い呼吸で

数年前、テレビのニュースでスポーツ吹き矢というものが紹介され、印象に残っていて、いつかチャレンジしてみたいとの思いがあった。しかしチャンスも無く、時は過ぎ・・・。最近知人と久しぶりにお会いする機会があり話をしていて、その男性がスポーツ吹き矢の上級指導員資格を持っている事を知った。何というラッキーな巡り合わせ、早速スポーツ吹き矢協会本部で初体験させていただく事ができ、嬉しいことだった。

スポーツ吹き矢
スポーツ吹き矢

このスポーツ吹き矢、体力も、運動能力も、性別も年齢も一切関係なく、障害のある人でも誰でも出来る安全で健康的なスポーツとして、1998年に日本で生れたものだそうだ。大切なことは呼吸法と集中力のみの単純明快な動き。ただシンプルに的に向って矢を吹くだけ。矢を吹く120センチの筒と小さなプラスチックの矢、それに的があればどこでも出来る。最初と最後の基本的礼儀作法を覚え、一度息をしっかり吐いてから、お腹を膨らませて深~く吸い、集中して筒をくわえて一気に息を吐き切って矢を放つ。ゆったりとした呼吸と動き、ただそれだけなので誰でも分かりやすい。矢を吹いてみて、本来、呼吸とは吐く事が大事で、そうしてこそ自然に大きく吸う事が出来るのだと実感できる。この深い呼吸をしながら何度も矢を吹いていると、だんだん足元から身体全体が温まってくるような気がした。色々な健康効果が期待できるといわれているのもうなずける。

 

最初は的に矢が届くのかと不安だったが、何とか円形の中心近くに矢が刺さった時の何とも言えない爽快感は息を吐き切ったその快感と共に気持よく、くせになりそう。ただ、つい隣の人の的が気になって見てしまったら、いざ今度自分で矢を放つと大きく中心を外れてしまった。集中力・精神力も大切だと認識させられた瞬間でもある。

 

何か大事な時には、よく、「深呼吸して!」といわれるが、深く呼吸することで心が平静になる。呼吸は心の状態によってかわり、また反対に心の状態も呼吸によってかわってくるという相関関係。浅いせわしい呼吸をしている時は落ち着かず、深いゆっくりとした呼吸が心を良い状態にするということだ。呼吸の仕方次第で、様々な場面での違いが出てくる事が分かれば、仕事やスポーツの場で緊張したり、ここ一番引き締め無ければいけない時など大切な時には、ゆったりと呼吸を整えようとすることで気持は落ち着き集中力が高まるという効果を期待できるだろう。

 

このスポーツ吹き矢、自然に腹式呼吸が身につき、健康効果抜群でいいことづくめ、激しく動き回るスポーツも好きだけれど、こんなシンプルなスポーツも良いものだ。これから、深い呼吸で焦らずゆったりとした日々を送ることが出来るようにしていこう。

 

色々なことのあったこの1年だけれど、心も身体も健康で元気に過ごせたことに心から感謝して終わりそうだ。

 

 

2012.12.23